ブックマーク / shavetail2.hateblo.jp (33)

  • やはり、大昔物々交換などなかった - シェイブテイル日記2

    経済学の教科書のはじめの方に登場する物々交換ですが、フェリックス・マーティン著「21世紀の貨幣論」には物々交換が人類学などから疑問を呈されているという話を以前書きました。 大昔、物々交換などなかった - シェイブテイル日記 今年4月に出版されたカビール・セガール著「貨幣の新世界史」でも、少し違う切り口から大昔には物々交換などなく、貨幣の起源は債務にある、という説を紹介しています。 以下は貨幣の新世界史から引用します。*1 (引用開始) - お金のもうひとつの起源 経済入門のクラスでは、お金歴史をつぎのように教えるケースがほとんどだろう。 昔々、世界の果ての地で、人びとは物々交換を行なっていました。しかし、常に満足できる形で成立するわけではなく、やがてお金が発明されました。 アリストテレスの思想はこの考え方の延長線上にあるし、さらに時代を下れば、アダム・スミスなど古典派経済学者にも行き着く

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  • 昭和恐慌は「一人当り90円の借金」を返済しようとして発生した - シェイブテイル日記

    1000兆円の政府債務が積み上がった現代とよく似た状況が84年前にもありました。 ただ、その時積み上がっていた政府債務、よくいわれる言い方では「国民一人あたりの借金」とは90円でした。 1929年(昭和4年)、浜口雄幸内閣が誕生し国民から熱狂的に迎えられました。 浜口内閣は痛みを伴う改革を訴え、不況下の緊縮財政を断行します。 同年8月には、浜口首相は緊縮財政の必要性を訴えるビラを全国1300万戸に配布しました。 今日のままの不景気は底知れない不景気であります。これに反して緊縮、節約、金解禁(著者注:金位制に復帰すること)によるところの不景気は底をついた不景気であります。 我々は国民諸君とともにこの一時の苦痛をしのんで、後日の大なる発展を遂げなければなりません。 「全国民に訴う」 1929年8月28日 これに対して、野党・政友会の三土忠造は政府を次のように批判しました。 その中で当時大問題

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  • 1997年の増税に対するクルーグマンの評価 - シェイブテイル日記2

    最近、政府自民党から、消費税不可避という意見が相次いでいます。 「消費税を引き上げない選択肢はない」甘利大臣 甘利経済再生担当大臣は、消費税の引き上げについて「外的な要因がなければ、引き上げない選択肢はない」と述べ、財政健全化の重要性を改めて強調しました。 甘利経済再生担当大臣:「(Q.消費税引き上げないという選択肢は?)それはないと思う。余程、外的なリーマンショックとか、その種の外的要因でもない限り、ないと思う」 また、甘利大臣は「法律に従って対応できるよう最大限の環境整備を行う」としたうえで、増税するかどうかは「安倍総理大臣が判断する」と述べました。政府は、来年4月の8%への消費税引き上げを今年秋に最終判断する方針ですが、それに向けて有識者会議を設置して増税の影響などを検討させ、判断材料にする考えです。 テレ朝ニュース 2013年7月30日 石破氏、来春の消費増税「延期は考えづらい」

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  • 最近のスティグリッツ氏発言からみる日経新聞の読み方 - シェイブテイル日記2

    安倍政権の経済政策「アベノミクス」が日経済の再生や世界経済の発展に果たす役割を議論する国際会議が、5月30〜31日の日程で東京都内で開かれました。 この会議には2001年にノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ氏も参加しました。氏は消費税増税についても何か語ったようなのですが、報道機関によりその内容に少々差があったようです。 ❏消費税増税否定型 テレ朝ニュース 消費税は消費を冷やす“悪い税金”ノーベル賞学者(05/31 20:41) ノーベル賞を受賞したアメリカ経済学者、ジョセフ・スティグリッツ氏が講演で、来年4月からの消費増税に慎重姿勢を示しました。 米・コロンビア大学、ジョセフ・スティグリッツ教授:「消費税のみ単独で増税するには時期尚早です。増税するのであれば、ほかの政策も同時に実施しなければなりません。消費税よりも効果があるのが環境税です。環境対策にもなり、次世代を守

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  • ベルカ・アンカーはビルトイン・スタビライザーか - シェイブテイル日記2

    3月26日付Bloombergでは、ポーランドで計画されていた付加価値税減税が、不思議なことに景気後退を理由に中止することが報じられていました。 以下拙訳。 ポーランド首相「景気減速を前に付加価値税減税を実施せず」 Poland Unlikely to Cut VAT in 2014 on Slowdown, Tusk Says  Bloomberg- Mar 26, 2013 ポーランドのドナルドトゥスク首相は、「景気減速により、歳入減となるので付加価値税減税は実施できないだろう。」と語った。 首相は閣議のあと、「付加価値税減税を実施するためには、ポーランドは劇的な景気回復が必要だが、私にはそうなるとは思えない。」と語った。 ポーランド政府は標準付加価値税率を2011年に上げた現在の23%から22%に減税する計画だった。今年の予算計画では付加価値税・物品税は歳入の64%を占める予定。 ポ

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  • 最近のソロス氏発言からわかる日経新聞の読み方 - シェイブテイル日記2

    4月5日に再承認を受けた黒田日銀に対して、国内外からは賛否両論が出されているようです。 その中でひとつのニュースソースからこれだけ違う記事が書けるものかと思う例がありましたのでご紹介します。 その1 日経新聞4月6日夕刊記事*1 ソロス氏が黒田日銀に警鐘 「海外への資逃避も」  公開日時2013/4/6 8:23 著名投資家ジョージ・ソロス氏が、CNBCのインタビューで黒田日銀の「大胆」な新金融政策に警鐘を発している。 「黒田日銀が引き起こした円安は雪崩となり、止められなくなるかもしれない。危険な政策だ。日人の海外への資逃避が始まる可能性がある」 「米国と同規模の量的緩和を、米国の3分の1の国内総生産(GDP)の日が実行すれば、その影響力は3倍に達する」 「日は25年続いたデフレからの脱却を試みているが、同じ時期に、欧州は緊縮政策で、そのデフレの入り口に立つ」 総じて論調を聞いて

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  • 覚えておいて損はない今日の各党の投票行動 - シェイブテイル日記2

    今日の参議院では、日銀正副総裁人事が票決され、黒田総裁のもと新日銀体制が3月19日からスタートすることになりました。 今回最も懸念されたのは、正統リフレ派として知られる岩田規久男氏の副総裁人事に参議院最大政党の民主党が反対姿勢を示していたことで、岩田規久男氏の副総裁就任には与党・自公だけでは足りず、みんなの党や維新の会の賛成票が過半数に不可欠なことでした。 ところが実際に蓋を開けてみると、岩田氏に賛成が124、反対が96、棄権が16という結果で、意外に差が開いて岩田副総裁が決定しています。*1 さて、この投票結果ですが、リフレ派の日銀正副総裁に対し各政党がどう投票行動をしたのかを見ると、なかなか興味ある結果になっています。 各政党での投票者のうち、賛成票を1票、棄権を1/2票とみなして各候補者への賛成票率として示したのが図1です。 図1 参議院(3/15)での日銀正副総裁人事投票結果 表は

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  • 次の日銀総裁にふさわしい人は誰か - シェイブテイル日記2

    今朝の報道では安倍政権による次期日銀総裁選びが大詰めを迎えたことが報道されています。 *1 これによりますと、日銀総裁候補は岩田一政・岩田規久男・黒田東彦・伊藤隆敏の4氏に絞られたとのことです。 これら4氏は一定以上にはアベノミクスつまりリフレ政策に賛同する立場の有力者に絞りこまれていると言えましょう。今回はそれぞれの候補者の過去の発言などから、誰がアベノミクスを主導する日銀総裁としてベストなのかを考えてみたいと思います。 1.岩田一政氏 66才 旧経済企画庁、元日銀副総裁 日経済研究センター所長 ・リフレ政策への理解 小泉内閣時代に竹中財務大臣の誘いで日銀副総裁に就任しましたが、2006年3月にはコアコアCPIがマイナス状態での量的緩和の解除に賛同しています。 ただ、翌2007年の日銀利上げでは、政策委員中唯一人反対しました。 ・リフレ関連書籍 「デフレとの闘い」(日経済新聞社) 2

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  • アベノミクスの位置づけ再考察 - シェイブテイル日記2

    先週末のドル円相場は93円台を窺う円安となり、株式市場は12週連続陽線と、54年前の岩戸景気以来の連続上昇となりました。ここまでのアベノミクスは成功を収めつつあると言えます。 そこで、今回は政界と経済学界でのアベノミクスの位置づけについて再度考察してみましょう。 1.政界経済地図 図1は現在の政界を金融政策の積極度(上下)、財政政策の積極度(左右)で4分割して示したものです。安倍内閣のアベノミクスは2%インフレ目標に向けた無制限金融緩和という主張のように、金融政策に積極的です。 みんなの党も同様に金融政策積極派です。 かつての小泉・第一次安倍内閣も竹中氏が主導する形で金融政策には積極的でした。 ただ、第一次安倍内閣と比較して、第二次安倍内閣は金融政策も一層積極的になり、また財政政策にも積極的に変化しています。 図1 アベノミクスを巡る政界経済地図 現政界を縦方向に金融政策積極性、横方向に財

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  • NHK日曜討論で浜田宏一・野口悠紀雄両氏がバトル - シェイブテイル日記2

    今日(20日)のNHK日曜討論では「どうなる日経済 アベノミクスを問う」と題し、討論が行われていました。 議論の中で、NHKの経済番組としては珍しく浜田宏一氏と野口悠紀雄氏の意見の対立が鮮明でしたので、この点を中心に書き起こしてみました。その結果、岡村日商会頭の発言などはある程度端折っています。 出演者 甘利明経済再生担当大臣 岡村正日商工会議所会頭 浜田宏一内閣官房参与・エール大学名誉教授 野口悠紀雄早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問 島田敏男NHK解説員 【日経済の現状認識】 島田 「日の経済の現状をどうお考えでしょうか」 (野口氏以外の一同は、アベノミクスによる円安株高など今後に期待すると言う主旨で発言) 野口「株式が活況を呈していることは間違いありませんが、国民の多くは不安を感じ始めています。 去年の2月にも似たようなことが起こっていまして、株価は上がったんですが、これは

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  • 安倍首相、そこまで言って委員会で本音を語る - シェイブテイル日記2

    今日の読売テレビ、そこまで言って委員会では「安倍晋三内閣誕生スペシャル」と題し、安倍晋三首相人が登場し、持論を展開しました。*1 辛坊治郎 第96代内閣総理大臣、安倍晋三さん登場です。 安倍首相 どうも。こんにちは。 辛坊治郎 安倍さん、今日はこの番組に出ていただくためにわざわざ東京からお越しいただいたんでしょうか。 安倍首相 そうですね。これが主な理由ですね。 金美齢  橋下さんとの会談はついでですか? 安倍首相 それもまた重要な理由です(笑)。辛坊さんが(野党時代の安倍氏に)「総理大臣になっても出ていただけるんですか」って聞いてくれましたね。で、あの時はまだそういう状況ではなかったんですが、「番組に出ますよ」とこう言ったんです(笑)。私たちはできないことは言わないということですから(大笑)、それで実現させていただきました。 辛坊治郎 では、皆さん、安倍晋三首相に聞きたいことは何ですか

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  • NHKスペシャル「日本国債」の本当の問題II - シェイブテイル日記2

    前回、NHKスペシャル「日国債」の当の問題 で、 26日に発足する安倍新政権が日銀を制御しデフレを脱却し、無意味な消費税増税を行わなければ、NHKスペシャルでおどろおどろしく語られた「日国債」問題は氷解してしまうのではないでしょうか。 と結論づけたところ、多くの読者の方から賛同のお言葉をいただきました。 ただ、この結論にはジャンプがあるのでは、というニュアンスでのご批判もいただきましたので、多少続編を書きたいと思います。 まずデータを見ながら考えてみましょう。 IMF World Economic Outlook Oct.2012版で、主要国の名目GDP成長率と政府純債務のGDP比の変化の相関を見てみました。 図1-1〜-4 主要国の名目GDP成長率と政府純債務GDP比変化率の相関 出所:IMF WEO Oct2012。 日は、デフレ前(1997年以前)を煉瓦色で、デフレ期(199

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  • NHKスペシャル「日本国債」の本当の問題 - シェイブテイル日記2

    昨晩9時からのNHKスペシャルでは「日国債」についてその危機的な状況が報道されていました。*1 確かに日の政府粗債務は2012年9月で約1100兆円に積み上がっています。 番組では、日国債売りを仕掛けているヘッジファンド、ヘイマンキャピタル代表 カイル・バス氏も登場し、「私たちは何年も前から日の借金レベルは返済できないレベルにあると考えています。」と語っていました。 しかしその一方で、国債の安全度のひとつの指標となる長期国債金利は日国債ではギリシャ国債などとは全く反対に、1%を下回り、世界最低レベルで安定しています。 では日国債は当は危険なのでしょうか、安全なのでしょうか。 また日国債の問題の質とは何なのでしょうか。 1.内債としての日国債 よく知られていますように、日国債の保有者は、9割以上が日国内居住者です。 内債は、政府は国債を発行することに事実上制約がなく、

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  • 現在の日銀関係者の率直な関心事 - シェイブテイル日記2

    安倍・次期首相が白川日銀総裁に中長期的な物価安定について検討を要請してきたことに対し、今日の日銀金融政策決定会合の後、「一段の金融緩和を行なっていく。 そして次の政策決定会合で、新たな物価安定目標の議論をしていきたい。」と白川総裁から安倍氏に報告したそうです。*1 白川総裁自身も記者会見で「中長期的な物価の安定について、執行部に指示した。」とする文書を発表し、次回の会合で日銀の物価目標について最終的な結論を出したいとしています。 今回の政策決定会合では10兆円の金融緩和を決めたことで、合計101兆円程度の金融緩和を実施したことになりますが、市場ではここまではほぼ織り込み済みだったようで、今夕はどちらかと言えば、やや円高株安に動きました。 市場および日経済全体での関心は、今回の若干の金融緩和などよりも、次回の金融政策決定会合で、日銀がこれまでの1%の「中長期的な物価安定の目処」という腰の引

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  • ニコ動・安倍晋三元総理がリフレ派に転向した訳 - シェイブテイル日記2

    12月2日に自民党安倍総裁が演壇に立ち、安倍氏がリフレ政策に転向した経緯と、現在の持論を展開している様子がニコニコ動画に掲載されていて*1、大変興味深いものがありました。 今朝の日経でも次の衆議院選挙で自公で過半数を取る勢いとも言われていますので、次期首相最有力の安倍総裁の考え方に耳を傾けてみましょう。*2 ここで私たちはどういう主張をしているかといえば、自民党の山幸三さんという元財務省の人が主張していたことなんですね。 それを私は聴いていて、これは暴論だなと思っていたんですね。 実は私も誰も相手にしていなかったんです。 これは日銀の言うことの方が正しいのかな、と思ってきたんです。それがぱっとある時、必ずしもそうではなくて、山さんの言うことの方が正しいのかなと。 私はこの分野(マクロ経済)は全然勉強をしてきたわけではないんですが、最近急にこれ(マクロ経済)についてお話を聴く機会を得なが

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  • 国の債務を全て返済すれば - シェイブテイル日記2

    前半国の借金の勘違い から続く ところで、私達が普段使っているマネーのうち、紙幣、いわゆる日銀券は日銀行が創り出しています。 ただそれは、何もないところから創り出している、というわけではなく、その価値の形式上の源泉は、日銀バランスシートの資産です。*1 図1 日銀のバランスシート(単位:兆円) 日銀バランスシート上、現在はたまたま日銀券とほぼ同額の資産として国債が計上されています。 仮に、日銀保有の国債などの資産が、債務返済により全てなくなったとすれば、日銀券は発行できなくなってしまいます。 このことを端的に語ったのが、第二次世界大戦中の米国FRB議長だったエックルズ氏です。 $$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$$ 1941年9月30日。 当時のFRB議長 マリナー・S・エックルズは下院銀行通貨委員会の公聴会でライ

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  • 15党の経済政策をまとめてみた - シェイブテイル日記

    今回の衆議院選挙は、唐突な野田首相の解散表明のせいか、準備不足の小党乱立気味で、何が何だかよくわかりません。 特に、減税日と太陽の党とが連携を発表したかと思えば、その後すぐに太陽の党が解党し、消費税増税を主張する日維新の会に合流するなど、日々状況が動いていて、混乱に拍車をかけています。 そこで、あくまでも今日の時点という前提で、大小15党の経済政策に関する主張をまとめてみました。 表 15党の経済政策 煉瓦色(◯)は積極的、△は条件付き賛成、ブルー(☓)は反対、▲は消極的を示す。 野田氏の主張である増税・財政再建に賛成しない人は民主党では公認しないそうですから、民主党は以前に比べ主張がはっきりしました。 また、日銀のデフレ対応策に対しては「日銀はよくやっているので日銀法改正には反対」という立場です。 そこで、民主党の主張に近い順に政党を並べてみました。 国民生活・共産・新党大地・みどり

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  • デフレ脱却に安倍総裁の政策と純リフレ政策のどちらがより有効か - シェイブテイル日記2

    自民党の安倍晋三総裁は15日、衆院選後に政権を奪還すれば、政府・日銀で2−3%のインフレ目標を設定し、デフレ脱却のためにあらゆる政策を総動員して取り組む考えを示しました。 *1 現在の日銀による「中長期的な物価安定のめど当面1%」に比べれば、2−3%のインフレ目標政策だけの金融政策でも脱デフレに効果的であることは論をまちません。 では、安倍氏が同時に明らかにした、公共投資を増やした景気刺激型の予算を編成する方針は脱デフレに有効なのでしょうか、無効なのでしょうか。 高めのインフレ目標と十分な金融政策だけでデフレ脱却を可能と考える立場、いわば純リフレ派からすると、公共投資による景気刺激は脱デフレにとっては意味がないとされています。 その論拠としては、マンデルフレミング(MF)モデルによれば、日のように変動相場制を採っている国では、公共投資をしたとしても(金利高→)通貨高を介して純輸出減を介し

  • 国の債務を全て返済すれば何が起きるのか - シェイブテイル日記2

    現代日では、政府債務が1000兆円近く積み上がっています。 野田政権の消費税増税もこの政府債務積み上がりと勿論無縁ではありません。政府としては、政府債務を国民が着実に返済していけば、将来不安が減少して、国民はお金をどんどん使うようになり、景気が向上するというお話で動いているわけです。 ではもし仮に、極論ではありますが、政府債務を全て増税で返済したとしたら何が起きるのでしょうか。 その答えがこちらです。 1941年9月30日。 当時のFRB議長 マリナー・S・エックルズは下院銀行通貨委員会の公聴会でライト・パットマン議員から20億ドル分の国債購入資金の出処について尋ねられました。*1 エックルズFRB議長(1941年当時) Mr. Patman: "How did you get the money to buy those $2 billion of Government securit

  • 一兆円金貨は荒唐無稽か - シェイブテイル日記2

    政府通貨については、デフレ対策としての有効性や副作用については誰しも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。 元民主党の中村哲治議員*1も、有権者らから政府貨幣の有効性について指摘や質問を受けているようで、自身のブログ *2 にコメントを書かれています。 ■政府通貨論について 通貨政策について「日銀券に代えて政府通貨を発行すれば国債を発行しなくても通貨の流通量が増える」という御指摘をいただきます。この議論については一見良さそうに思えますが、私としては全く理解できない要素があるので、一応まとめておこうと思います。 まず、「政府に紙幣の発行権はないけれども貨幣の発行権はあるので、一兆円金貨などを作って40枚発行すればいい」とおっしゃるような方がいらっしゃいます。 しかし、この立場の方に対しては「それならば、一兆円金貨はそのままでは流通できないため、どのような通貨に両替するのでしょうか」とい

    一兆円金貨は荒唐無稽か - シェイブテイル日記2