ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/watanabe (7)

  • オバマを支えたミシェルにアメリカ女性が惹かれる理由

    <独立した強い女性でありながら、カリスマ政治家の夫を支えるために脇役にまわったミシェル・オバマ。大ベストセラーとなった回想録『Becoming』が明かす現代女性の愛と葛藤> 新しい国であるアメリカには貴族や皇族などのロイヤルファミリーが存在しないが、それに匹敵するのが大統領とその家族だ。アメリカ国民は彼らの言動だけでなく、ファッションにも注意を払う。そして、任期が終わると、大統領だけでなく、大統領夫人も回想録を出す。 政策に直接関係ない大統領夫人の支持率は、夫の大統領より高い傾向がある。近年の大統領夫人の平均支持率では、ミシェル・オバマ(65%)は、バーバラ・ブッシュ(81%) とローラ・ブッシュ(72%)に続く第3位の位置にあり、政策に口出しをしてバッシングにあったヒラリー・クリントン(56%)やナンシー・レーガン(55%)より高かった。 支持率は回想録のセールスに関係がありそうだが、そ

    オバマを支えたミシェルにアメリカ女性が惹かれる理由
  • 「文化の盗用」は何が問題で、誰なら許されるのか? あるベストセラーが巻き起こした論争

    パフォーマンスに和服?をモチーフにした衣装で登場し、炎上したケイティ・ペリー Lucy Nicholson <キム・カーダシアンの下着ブランドへの批判で日でも話題になった「文化の盗用」だが、その判断基準は明確ではない> アメリカで2020年1月に発売されてから、半年を過ぎた今でもベストセラーを続けている小説がある。メキシコから国境を越えてアメリカ移住しようとする難民の母子の物語であり、売れるのが納得できるページターナーだ。だが、それ以上にこの小説を有名にしたのは、Jeanine Cumminsという名前の白人(彼女の祖母はプエルトリコ出身のラテン系だということが後にわかった)が、メキシコからの移民について書いたことだった。 あらすじをざっと紹介しよう。 メキシコのアカプルコで書店を経営するリディアは、ジャーナリストの夫や親族と愛情たっぷりの生活を送っていた。リディアは、書店を訪れた年上

    「文化の盗用」は何が問題で、誰なら許されるのか? あるベストセラーが巻き起こした論争
  • 民主党予備選で着実に支持を上げるエリザベス・ウォーレン

    現状の世論調査でウォーレンはバイデン、サンダースに続いて3番手につけているが…… Gretchen Erti-REUTERS <トップを走るバイデンやサンダースにくらべて、ウォーレンへの支持は着実に強固になっている> 前回コラムで書いたとおり、9月7日土曜日、大統領選のバトルグラウンド(決戦州)として知られるニューハンプシャー州マンチェスター市で州の民主党大会が行われ、19人の大統領候補がスピーチした。 スピーチの順番などに関しては不備があったものの、候補者全員に、支持者が路上や会場前でにぎやかにPRをし、会場内のブースで政策を説明する平等な機会は与えられていた。 この大会時点での全米の世論調査の平均支持率は、トップからジョー・バイデン(29%)、エリザベス・ウォーレン(17%)、バーニー・サンダース(15%)、カマラ・ハリス(7%)、ピート・ブーティジェッジ(5%)、アンドリュー・ヤング

    民主党予備選で着実に支持を上げるエリザベス・ウォーレン
  • 【2020米大統領選】前回予備選で旋風を起こしたサンダースの意外な苦戦

    <2016年の民主党予備選でヒラリーと激しい戦いを繰り広げたサンダースだが、今回の予備選ではかつての支持者からも「過去の人」扱いに> 2016年の大統領選では、ヒラリー・クリントンとバーニー・サンダースが民主党の候補指名を争う予備選で激しい戦いを繰り広げた。この戦いは民主党首脳部に対する反乱に近い形にまで発展し、それぞれの熱心な支持者に苦い後味を残した。今でも「民主党のエスタブリッシュメント(上層部)がサンダースから予備選の勝利を奪った」と語るサンダースの支持者や、「サンダース支持者がヒラリーを悪者にしたことが選での敗北につながった」と恨むクリントン支持者がいるほど傷は深い。 2016年の予備選だけを見ると、クリントンが出馬していない2020年の大統領選では、サンダースは容易に民主党の指名候補になれそうなものだ。ところが、サンダースは2016年の予備選で楽勝した地元で意外にも苦戦している

    【2020米大統領選】前回予備選で旋風を起こしたサンダースの意外な苦戦
  • トランプ政権下で起きている児童書の変化

    グラフィック・ノベル『Illegal』の作者オーエン・コルファー Yukari Watanabe/NEWSWEEK JAPAN <移民、黒人、女性、性的マイノリティなどへの差別が表層化したことで、社会問題への若者の意識が高まっている> 毎年5月末ごろの3日間、アメリカ最大のブックフェアである「ブックエキスポ・アメリカ(Book Expo America, BEA)」が開催される。これは版権やライセンスの取引が中心の国際見市であるフランクフルトやロンドンのブックフェアとは異なり、おもに出版社が図書館や書店の関係者を対象に発売予定の新刊をPRするイベントである。このイベントに毎年参加すれば、アメリカ出版業界のトレンドの変化が肌感覚でわかる。 たとえば、近年のYA(ヤングアダルト)部門の台頭だ。ヤングアダルトは、主に高校生のティーンを対象にしたジャンルのことだ。 2000年代前半までのBEA

    トランプ政権下で起きている児童書の変化
  • 大統領選の波乱を予兆していた、米SF界のカルチャー戦争

    <ファン投票で受賞が決まるSFのヒューゴー賞で昨年、「反リベラル」作家の作品が候補リストを独占する異変が起きた。文化的多様性を排除して白人至上主義へと繋がるようなこの動きは、今年の大統領選を予期させる出来事だった> ヒューゴー賞(Hugo Awards)は、世界中のSFファンが注目するSF、ファンタジー、ホラージャンルの重要な賞だ。 受賞作は世界SF大会(ワールドコン、 World Science Fiction Convention)に登録したファンの投票で決まり、大会の間に開催される授賞式で発表される。気取った文芸賞とは異なり、批評家ではなくファンが決める賞なので、必ずといって良いほど面白く、ベストセラーにもなる。そういった点で、とても信頼性がある賞だ。少なくとも、2015年まではそうだった。 ヒューゴー賞の信頼を地に落としたのは、「サッド・パピーズ(Sad Puppies、悲しい子犬

    大統領選の波乱を予兆していた、米SF界のカルチャー戦争
  • ソーシャルメディアはアメリカの少女たちから何を奪ったか

    ソーシャルメディアで過激な性情報に晒されることでアメリカの10代の性行動は大きな影響を受けている Martin Dimitrov-iStock. どの時代のどの国にも、子ども同士の「いじめ」はある。 筆者は、テレビがまだ一般家庭に普及していなかった時代に日の学校で執拗ないじめを経験したし、インターネットの利用がまだ一般的ではなかった2001年から数年間、アメリカの公立小学校で教師や親と一緒にいじめ対策に関わった。どの国のどの時代でも、教師や親がどんなに努力しても子どもたちのいじめを察知するのは難しい。加害者はもちろん、被害者も報復や孤立を恐れて大人には打ち明けない。だから、被害者は精神的に追いつめられ、自殺という悲劇に発展することもある。 ソーシャルメディアの普及により、いじめの場はネットに移行し、ますます状況は悪化した。「Cyberbullying」と呼ばれるネットを利用したいじめは、

    ソーシャルメディアはアメリカの少女たちから何を奪ったか
  • 1