――フランスでは長年、左右の政党間で政権交代が可能になっていたように見えます。 右と左が対立する政治状況を生み出したのはフランス革命でした。以後、私たちはこの価値観に2世紀の間どっぷり漬かり、国外にも輸出しました。左右対立は、フランス製品として珍しく評判がよかったのです(笑)。 ただ、何十年か前から、この枠組みでは現代の社会経済の大課題に対応できないと、多くの人が感じ始めました。環境、欧州統合、グローバル化の諸課題は、左右の論議でも解決を見いだせません。 ――確かに政策論議で左右のねじれも目立ちます。 欧州連合(EU)を巡る仏国民投票でも、右対左でなく、左右内部の穏健派と強硬派の対立になりました。左右の政治勢力への不信感も募り、政界、代表制民主主義、政府といった従来の政治システムへの疑念が高まった結果、左右双方の性格を備えたマクロンが、刷新を体現する人物として大統領に選ばれたのです。 なの
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