東浩紀(あずま・ひろき)/1971年、東京都生まれ。批評家・作家。株式会社ゲンロン代表。東京大学大学院博士課程修了。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。93年に批評家としてデビュー、東京工業大学特任教授、早稲田大学教授など歴任のうえ現職。著書に『動物化するポストモダン』『一般意志2・0』『観光客の哲学』など多数この記事の写真をすべて見る 震災関連の公文書も、保存期間が過ぎ、既に廃棄されているものがある。福島県浪江町では廃棄の判断後、他自治体の応援職員の助言で震災当時からの公文書が保管されることに (c)朝日新聞社 批評家の東浩紀さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、批評的視点からアプローチします。 * * * まもなく東日本大震災から8年になる。例年この時期になると福島関係の報道が増える。今年も原発事故被害の救済や廃炉が進んでいないとの報道が出ている