<<デジタライゼーションは加速的に進展し、やがてAIの頭脳労働をも代替するだろうとも予測される現代でも、日本の職人の手による甲冑や陶器、酒といった、極めてフィジカルな存在が人びとを惹き付けてやまない事実もある。 ノンフィクション作家の早坂隆氏が発表した著書『現代の職人 質を極める生き方、働き方』では、そんな全国の匠たちを訪ね、現場の熱量と物づくりにかける職人の思いを伝えている。 本稿では、同書より岩手の地酒「南部美人」を海外にまで進出させ、ついには日本酒初のビーガン向けの食品として認定までされ、さらなるグローバル展開を推し進める株式会社南部美人の5代目蔵元・久慈浩介氏を取材した一説を紹介する。>> ※本稿は早坂隆著『現代の職人 質を極める生き方、働き方』より一部抜粋・編集したものです。 天才杜氏がいても、「うまい酒」は生まれない難しさ 研ぎ澄まされた感覚を持つ職人たちを蔵元として束ねる久慈