雅子さまの病気は、戦争のような生存の危機を体験していない世代が、生きる意味を見失って苦しむ「実存のうつ」だったと、精神科医の斎藤環さん。では、新しい時代の天皇皇后両陛下にとっての実存となりうるテーマは何なのか? そして、新しい天皇皇后両陛下への大胆な提案とは? 斎藤環さんと『美智子さまという奇跡』著者のコラムニスト・矢部万紀子さんの対談、後編です。 * * * 「研鑽」に努めてしまう、まじめなお二人 矢部 拙著『美智子さまという奇跡』にも書きましたが、両陛下が戦争をテーマとされる切実さが、皇太子ご夫妻にはないのです。そうなると、新しい時代の天皇皇后は、何をテーマとするのか。それが実存となるわけですよね。 斎藤 平和への願いは変わらないでしょうが。切実さで言うと、やはり被災地へのお見舞いでしょうか。 矢部 それだけを引き継ぐとなると……。 斎藤 ですが、格差問題などと言うと政治になっ
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