水俣市の新たなかじを取る高岡利治市長が22日、就任する。自民出身の市長誕生は16年ぶり。選挙では水俣病の原因企業、チッソの事業子会社JNCの労組から全面支援を受けた。市内最大企業との良好な関係を軸に、地域経済の浮揚を市政の柱に掲げる高岡氏だが、議会対策や県議とのあつれきなど不安要素も抱える。水俣病患者団体などからは「チッソの影響力が強まる」と警戒の声も上がる。 「もう少し、精査が必要だ」。今月中旬、市幹部から、現職市長の下で編成された新年度予算案の説明を受けた高岡氏は、市が水俣港近くに建設予定の物産館事業に難色を示した。市は23日開会の市議会定例会に提案する予算案から項目ごと削除した。 関係者によると、高岡氏が市議時代に受けた説明と財源面で大幅な変更があったという。予期せぬ反応に市幹部は「どこまでメスが入るのか」と戦々恐々。事業には国、県も関わっており、「今後の財政支援に影響しないか」と気