戦前に国際連盟の脱退や日独伊三国同盟の締結で中心的な役割を果たし、敗戦後はA級戦犯容疑に問われた元外相、松岡洋右(ようすけ、1880~1946)のカラー動画が見つかった。スイス・ジュネーブの連盟総会から退場して1カ月半後の33年4月、米国で撮影したものとみられる。 神戸映画資料館が収蔵した戦前の個人撮影の16ミリフィルムに含まれていた。京都の収集家(故人)が所蔵していたが、来歴は不明。安井喜雄館長によれば、松岡のカラー動画はこれまで知られていない。 9分余の映像のうち4分余がカラーで、音声はない。牧場や蒸気機関車を撮影した白黒フィルムとつながれていた。聴衆でいっぱいの会場で、日の丸と星条旗を背に松岡が演説。いったんかけたメガネを外し、懐中時計の鎖をしきりに触りながら語り、後半は上下に激しく手を振っている。 フィルムは33年製で、映像を… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお