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ブックマーク / kazu-yamamoto.hatenablog.jp (10)

  • Haskell の Monad とは言語内DSLのフレームワークである - あどけない話

    この記事は、Haskellを勉強してある程度分かったけど、Monadで挫折した人のための記事です。10分間で、Monadに対する納得感を得ることを目的としています。他の言語でいう「モナド」にも通用する内容ですが、Haskell の文法や用語を用いますので、他の言語の利用者に分かるかは不明です。 Haskellを勉強したのですから、 代数データ型 型クラス は分かっていることにします。Monad は、単なる型クラスの一つで、それ以上でもそれ以下でもありませんから、この二つが分かってないと話になりません。 また、言語内DSL(以下、DSLと略記)という考え方を知っていることも仮定します。Monad とは、DSLのフレームワークという直感を与えるのが、この記事の主眼ですからね。 さらに、構造化定理をいう単語を聞いてもビビらない人を想定しています。逐次、反復、分岐があれば、計算しうる計算はすべて記

    Haskell の Monad とは言語内DSLのフレームワークである - あどけない話
  • HTTP/2から見えるTLS事情 - あどけない話

    これは HTTP/2 アドベントカレンダー19日目の記事です。 この記事はたくさんの資料を読んだ上で書きましたが、間違いとか勘違いとかがあるかもしれません。もしあれば、指摘していただけると幸いです。 実質的に必須となったTLS HTTP/2は、HTTP/1.1と同じく、暗号化なし/ありのポートとして、80と443を使います。そのため、通信開始時にHTTP/1.1とHTTP/2をネゴシエーションするための仕組みが、HTTP/2で定められています。 このように仕様としては暗号化なしのHTTP/2が定義されていますが、Firefox や Chrome が TLS を要求するために、実質的は暗号化ありが必須となっています。これは、米国の監視プログラムPRISMに代表される広域監視(pervasive surveillance)に対抗するために、IETFがさまざまな通信にプライバシの強化を要求する方

    HTTP/2から見えるTLS事情 - あどけない話
  • コンパイルは(テストではなく)証明である - あどけない話

    「プログラムのテストはバグの存在を示すことにかけてはとても効率的な方法ですが、バグの不在を示すことにかけては絶望的なほどに不適切です。プログラムの信頼性を顕著に向上させる唯一の方法は、その正当性に対して説得力のある証明を与えることです」 -- Edsger W. Dijkstra 静的型付き言語では、コンパイル時に型が検査される。この型検査に関連して型推論という機能を持つ言語がある。型推論は、大きく分けて2つの意味で使われているようだ。 命令型言語の多くに見られる型推論:型検査の過程で、省略された型を補うこと 関数型言語の多くに見られる型推論:未知の型を変数として方程式を立て、方程式を解いて未知の型を求めること。型推論自体が型検査の役割を果たす この記事では、後者の型推論を話題にする。 静的型付き関数型言語の利点として、よく「コンパイルはテストである」という説明がなされる。プログラムは式で

    コンパイルは(テストではなく)証明である - あどけない話
    hide_o_55
    hide_o_55 2013/03/11
  • Haskell でのデバッグ - あどけない話

    「純粋関数型言語はデバッグしにくい。だって純粋な関数で printf デバッグできないから」とつぶやいている人をよく見かけます。これまで放置してきましたが、リツイートが50を超えたので、Haskellでのデバッグについて書きます。 例外処理と同じように、Haskell でのデバッグでは、純粋な関数と IO を分けて考える必要あります。 IO での printf デバッグ IO では、putStrLn や print が使えるから問題ないですよね? foo :: Int -> IO Bool foo i = do x <- あれして i putStrLn $ "x = " ++ show x これして putStrLn "ここも通過" -- それもする y <- それもする print y return y ちなみに、forkIO 起動した軽量スレッドから putStrLn する場合、軽量ス

    Haskell でのデバッグ - あどけない話
  • HaskellとテストとBDD - あどけない話

    Haskellでの BDD を実践するとどうなるかを考えるためのメモ。 型 豊かなデータ型とセクシーな型システムを持つ Haskell では、型が以下のような意味を持つ。 仕様 保守性の向上 簡単なドキュメント 設計図 BDD では、テストの用語ではなく設計の用語を使ってテストを記述する。だから Haskell で、まず型を書く習慣があれば、ある意味 BDD を実践していると言える。この感覚は、他の言語のプログラマには分からないかもしれない。 fromList :: Ord a => [a] -> Set a fromList = undefined このコードはコンパイルを通過するので、型に関する誤りがないことを確かめられる。 僕はへなちょこなので、型を先に書くこともあれば、後から書くこともある。 単純なコードはさっさと実装したい 型は GHC に推測させて、ghc-mod で自動挿入す

    HaskellとテストとBDD - あどけない話
  • Haskellの講義に関するQ&A - あどけない話

    岡山大学で、関数プログラミングの講義を一コマ担当しました。資料は、函数プログラミングの集いで使った関数プログラミングの道しるべを流用しました。ちゃんと用意しなくて、講義を受けた学生には申し訳ないです。 講義内容に関して質問を頂きました。同じような疑問を持つ人も多いと思いますので、担当教官の許可を得てここに公開します。 永続データプログラミングの意義は分かったが,破壊しないと効率が悪いのではないですか.配列のような構造が世の中には多い気がします.メモリは足りなくなりませんか. 基的に永続と呼ばれているデータは、共有の効率が高く、しかも不要になった部分はすぐに GC に回収されます。また、GHC の GC はすごく優秀であることが知られています。 Haskell では、下位のレイヤーではデータを破壊できて、たとえば固定長のバッファーを使い回すといったことも可能です。ただ、それは普通のプログラ

    Haskellの講義に関するQ&A - あどけない話
  • カリー化談義 - あどけない話

    最近、スタートHaskellで「カリー化された関数のメリットは何か?」という質問が出た。そのすぐ後に、kmizuさんがカリー化の誤用に対して警鐘を鳴らしてしていた。僕からするとkmizuさんの「カリー化の定義」も誤用に思えたので、調べるとともに考えたことのまとめ。 いろんな定義 「カリー化する」という用語は、すくなくとも以下の3つの意味で使われているようだ。 部分適用という意味 これは明らかに間違い 「複数の引数を取る関数」を「一引数を取る関数のチェインに直す」こと これはkmizuさんの定義。世間でもよく使われる。 「構造体を一つ取る関数」を「構造体のメンバーを複数の引数にばらし、一引数を取る関数のチェインに直す」こと これは僕の定義。というか、Haskellコミュニティの定義。 「部分適用」の意味で使うのは明らかに間違いのなで排除。定義2と3について議論する。あとで、部分適用とは何かに

    カリー化談義 - あどけない話
  • Haskell(GHC)での軽量ユーザスレッドの実装方法 - あどけない話

    命令型言語の JavaRuby がユーザスレッドからカーネルスレッドに移行したのとは対照的に、関数型言語の Erlang や Haskell では軽量なユーザスレッドを提供することに成功しています。僕は、この違いが何から生じているのか理解したいと思っています。この記事では、これまで調べたことをまとめます。 軽量なユーザスレッドは Erlang が有名ですが、Haskell (GHC)でも利用できることを重ねて強調しておきます。Haskell の方が Erlang よりも速いようです。追記:フェアな比較ではないようなので、話半分で参照して下さい。 Rubyの場合 Ruby 1.8 まで提供されていたユーザスレッドは、軽量とは言えませんでした。その理由は、ユーザスレッドをコンテキストスイッチさせる際にスタックをコピーしていたからです。Rubyソースコード完全解説の第19章 スレッドによれ

    Haskell(GHC)での軽量ユーザスレッドの実装方法 - あどけない話
  • Haskell から見た node.js - あどけない話

    誤訳 以前、「サーバサイドJavaScriptのNode.js、最初はCやHaskellを検討し失敗。開発者ライアン・ダール氏へのインタビュー」という記事が twitter で話題になっていました。 ―― なぜJavaScriptを選んだのでしょう? ダール氏 実は最初は違いました。最初はC、Lua、Haskellなどで失敗していました。そんなときV8(Chromeが採用しているJavaScriptエンジン)に気がついて、やろうとしていることに対してJavaScriptが完璧な言語だと突然ひらめいたのです。 ただでさえ、Haskell は遅いと誤解されているのに、このような悪意さえ感じらえる訳だと、さらに誤解が深まりそうです。原文にはこう書かれています。 Dahl: Originally I didn’t. I had several failed private projects doi

    Haskell から見た node.js - あどけない話
  • HaskellとDSL - あどけない話

    LL Planets の「メタプログラミングの光と闇」で Haskell について話してきました。PerlPythonRuby が概ね内部 DSL を作る話だったのに対し、Haskell では外部DSLを内部に埋め込むという話をしました。短い時間で説明不足になった感があるので、この記事で二点ほど補足します。 Haskell では文法がうまく設計されており、コードを書けば自然とDSLっぽくなるので、わざわざ内部DSLなんて言わない。それよりもコンビネータという考え方を学ぶ方が新しい視野がひらけてよい。 Haskell ではパーサーを作るのが簡単。だから自分で言語を作るのも簡単。その言語を外部ファイルから読み込んでもいいし、HERE DOCUMENT のように内部に貼付けることもできる。 関数を二項演算子として扱う Haskell では関数をバッククォートで囲むと二項演算子になります。 i

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