設計、コーディング、テストなど、システム開発は急ピッチで効率化が進められてきた。だが、最後まで残っているのが「要件定義」だ。あいまいで不十分な要件は、「作業の手戻り」、「プロジェクトの遅延」、「予算オーバー」、「機能不足」、「使い勝手の悪さ」の問題を引き起こし、失敗プロジェクトに直結する原因となる。さらに、要件の間違いは手戻り作業を引き起こす最大の原因であり、手戻り作業がプロジェクト全体における開発作業の40%にまで及んでいるという。 開発側、それを使うユーザー側、投資を判断する経営側。それぞれのコミュニケーションギャップがプロジェクトの失敗に直結している。日本語のあいまいさ、誤解に基づいた仕様定義、分厚く難解な仕様書……、そして最後には言った言わないのなすりあいが始まる。