このコラムについて スマートグリッド(次世代電力網)への注目が世界的に高まっている。中央管理・閉鎖型の電話網が自律分散・開放型のインターネットに非連続的に変化したように、既存の電力網もスマートグリッドに進化すると考えられる。ところが日本について言えば、既存の電力網が高い水準で整備されているがゆえに、産業界は慎重であり、アメリカなどへの「遅れ」が予想される。また政策面でも、省庁間の施策の重複や縄張り争いが生じており、政府は包括的な対応ができていない。スマートグリッドをインターネットのアナロジー論から分かりやすく説明し、日本の産業界や政府に発想を変えた取り組みの必要性を提言する。 記事一覧 記事一覧 2010年11月22日 「日本型」スマートグリッドの可能性と成長戦略を探る 《最終回》電力も“ガラパゴス化”でいいのだろうか? 「電力の安定供給」を絶対的な動機として掲げ、既存の中央管理・閉鎖型の
1.スマートグリッドに対する日本での盛り上がり 2009年末頃から、日本においても“スマートグリッド”という言葉を頻繁に聞くようになってきた。日本経済新聞の見出しから引用すれば、昨年暮れの「東電など、電力各社、次世代送電網に1兆円」(2009年12月31日)という1面トップの記事は、電力会社の方針転換を感じ取るには十分であったし、今年3月12日には、「次世代送電網対応メーター、東電が実証実験、10月開始」と報道された。重電メーカーも本腰を入れ始めており、「次世代送電網、事業化推進へ、日立が統括組織」(2010年3月12日)との記事があったし、「次世代送電網、米GEが日本参入」(2010年2月25日)は衝撃的であった。 これらの動きを日本政府も支援しており、「次世代送電網、全国5000世帯で試行」(2010年4月8日)と実証実験が計画され、海外の市場開拓については、「経産省、インド都市整備、
下記の記事が出ている。 Who Will Become the Masters of the 'Smart Grid'? New York Times: September 23, 2010 http://www.nytimes.com/cwire/2010/09/23/23climatewire-who-will-become-the-masters-of-the-smart-grid-4691.html 日本法に即して言えば,複数の電力会社がスマートメーターのネットワークを相互接続した場合,自動的に顧客の電力使用状況に関する情報(個人情報)を相互利用できることになる。この場合,日本国の個人情報保護法に定める共同利用に関する所定の手続が完了した上でその相互利用が実施されなければならない。違法であることを避けるためには,本人識別性のない機械的な符号のみで処理するようなシステムを導入しなけれ
EU、日本、米国を中心に研究開発や実証実験が進む「スマートグリッド」。従来のように系統(電力網)から、家庭やオフィス、工場などの需要家へ電力を送るだけではない。需要家の情報を系統に戻すことで、系統の信頼性が高まるほか、需要家側でさまざまな付加価値を生むと言われている(関連記事、「スマートグリッドの実証実験、横浜市など4地域で開始へ」)。 しかし、日本国内の系統はすでに十分に信頼性が高い。電気事業連合会によれば、2008年度の1軒当たりの年間停電回数は0.15回、停電時間は10分である。これは事故停電と計画的な作業停電を合わせた時間であるため、予期しない停電(事故停電)はこの数値よりもさらに少なくなる。 停電時間が短く回数が少ないのは、系統に不具合が生じたときに自動応答するさまざまな処理装置が組み込まれているからだ。例えば落雷などで高圧送電線が切断されたとき、切断位置を自動でほぼ確実に把握で
Old-style metering made it very difficult to understand where people were wasting energy "It is possible to have a smart meter that does not have a display on it at all, in fact most smart meters don't," she explained. Citing Italy and Sweden as exampled, she said: "They are not being rolled out with the aim of giving customers better feedback, except that the households will get an accurate bill
ICT(情報通信技術)を利用し、発電所をはじめとする供給側とビルなど需要側の電力需給をコントロールすることによって、電気使用の最適化を図る「スマートグリッド(次世代送電網)」。地球温暖化の防止に役立つ技術として関心を集めてきた。4月の野村アセットマネジメントに続き、6月30日にはUBSグローバル・アセット・マネジメントが「日興UBS世界スマートグリッド・ファンド」を設定する。関連銘柄への注目度があらためて高まっていくことになりそうだ。 スマートグリッドの構築はもはや国策。政府も「スマートグリッドに関する国際標準化ロードマップ」を公表するなどして、その重要性を訴えている。 もっとも、欧米に比べると国内の送電網は既にはるかにスマート(賢い)という指摘も多い。1軒当たりの年間の事故停電時間(2007年)を見ても、米国の97分に対して日本(東京電力)は4分と、その差は歴然だ。 それでも技術開発が急
世界各国でスマートグリッド(次世代送電網)への取り組みが活発化し、多彩な標準化が推進されているが、現在、「IEEE 802.15.4g」で行われているSUN(Smart Utility Networks)の標準化は、スマートグリッドを実現する通信規格のひとつとして大きな注目を集めている。そこで、このIEEE 802.15.4gに参加し積極的に標準化活動を推進されている、NICTの新世代ワイヤレス研究センターの児島史秀(こじまふみひで)氏(ユビキタスモバイルグループ 主任研究員)に、標準化の現状をお聞きした。IEEE 802.15.4gは、半径数100メートル~数キロメートル程度の範囲の地域において、複数の各ホームネットワーク〔スマートメーター部分を窓口とする〕からの情報を電力会社やガス会社の情報収集局(制御センター)に集約し、双方向に制御できること、またZigBee等に比べ消費電力を大幅な
図1 経済産業省が定義したスマート・グリッドの構成要素 一般電気事業者の各種発電所や家庭用太陽光発電、電気自動車、2次電池と、住宅や工場などを結ぶ送配電網(青線と青い矢印)によって接続し、IT(赤線)によって制御する。出典:経済産業省 経済産業省は、次世代電力網であるスマート・グリッドの国際標準化を目指し、日本企業が優位にある「26の重要アイテム」を選定した。2009年8月に発足した「次世代エネルギーシステムに係る国際標準化に関する研究会」がとりまとめた成果である。国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)などに提案し、3年以内に国際規格としての成立をもくろむ。 スマート・グリッドの標準化については米国、欧州、中国などが標準化に向けた取り組みを進めている。例えば、米国は2010年1月にスマート・グリッドに関する標準化ロー
2010年3月5日(金)午後2時30分。米ニューメキシコ州サンタフェ郊外にあるヒルトンサンタフェの会議施設。 200名ほどが集まったその会場内中央の壇上に、「The Signing Ceremony for Implementation of NEDO Smart Grid Demonstration Project in New Mexico」とある。NEDOは、日本の経済産業省所管の独立行政法人・新エネルギー・産業技術総合開発機構のこと。そのNEDOの言葉を借りれば、スマートグリッドとは「情報通信技術を用いて、電力の需要・供給を効率的に制御する次世代電力網の総称」(NEDO資料より)を指す。 本連載第31回「スマートグリッドという金の卵の育て方」で紹介した通り、日本は今、産学官をあげてスマートグリッドに本気で取り組んでいる。 日本の産業空洞化対策として 産官学ともスマートグリッドに本気
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