新たな官僚像を探る試みが教育現場で始まった。 経済産業省課長補佐の鈴木英敬さん(31)は、土曜の朝になると、新幹線に飛び乗り、滋賀県草津市にある立命館大学へ向かう。私学では国家公務員になる学生が多い立命館大が、今春初めて開講した土曜午後の講義を行うためだ。 鈴木さんは、経産省で構造改革特区を担当した時、3年間で100余りの地域に足を運んだ自称「特区の営業マン」。役人意識の改革を目指し、公務員による勉強会「スーパー公務員養成塾」を設立したことも講師要請の理由だった。 「今、日本で問題だと思うことを挙げてください」 鈴木さんが講義で問いかけると、学生からは、治安やいじめ、介護保険と、幅広い分野から課題が挙がった。 鈴木さんが続ける。 「昔は公の問題は官が対応したが、今は官と公はイコールではない。官だけで対応できない時代に、どう解決していけばいいかを考えよう」。講義は、行政やNPOなどの実態を調