あらゆる有機化合物の基礎を成すC(炭素、カーボン)は、次世代半導体材料の候補として、Si(シリコン)に取って代わることになりそうだ。Cは、周期表上でSiのすぐ真上に位置する。炭素だけを含む物質として、「ダイヤモンド」や「グラフェン」、「カーボン・ナノチューブ」、「フラーレン」が注目されている(図1)。熱特性や実現できる動作周波数の範囲の広さは言うまでもない。おそらく超電導特性など、Siでは不可能だったことが実現できることが研究結果から示唆されている。 図1 グラフェン中の電子が示す軌道 米NISTは、電子の挙動によって、グラフェンを構成する炭素原子の配列を調べた。図で針のように描かれているプローブから磁界を加えることで、電子が円を描く(サイクロトロン軌道)ように運動する。 米国の市場調査会社であるGartner社でシニア・アナリストを務めるDean Freeman氏は、「カーボン応用技術