ニートという言葉にはマイナスの意味しかないのか? いやおおむねマイナスだとしても、何かしら良い面があるのではないか? ニートのエリート、いいニート、そんな道もどこかにあるんじゃなかろうか。などというしょうもないことを模索する連載。今回は著名ミュージシャンとニートの共通点を探る試み。 唐突だけど坂本龍一という名前を聞いて、あなたはどういうイメージを持つだろうか。70年代末にYMOでブレイクし、80年代後半にはベルトリッチの映画音楽を担当しアカデミー賞を受賞、現在もニューヨークを拠点にワールドワイドな活動を続ける彼の姿は、リアルタイムでその過程を知る中高年にとっては魅力的なイコンであり、現在もさまざまなCMのキャラクターとして起用されている。しかし若者にとってはエスタブリッシュ、セレブリティーといった言葉が似つかわしい、自分とあまり接点の無い人間と思われているのではあるまいか。 89年に出版