いま、アメリカの刑務所に日本の自動車部品メーカーの幹部らが収監されていることをご存じだろうか?アメリカの政治家や企業が威厳を取り戻すために、日本企業をターゲットにして、徹底的な取り締まりを始めようとしているのだ。ジャーナリスト・新垣洋氏の特別リポート。 なぜタカタは狙われたのか 異常な破裂を起こすなどして米国では5件の死亡事故が確認されているタカタ製エアバック。米運輸省のフォックス長官は11月3日、「何年にもわたってタカタは欠陥製品を売り、欠陥を認めるのを拒み、情報を提供してこなかった。この混乱を解決するために、対応を強化した」としてタカタに最大2億ドルの制裁金を科すことを発表した。 タカタがエアバックの異常破裂を最初に受けたのは2005年頃とされている。最初のリコール(回収・無償修理)が2008年だから、「対応が遅かった」という指摘はその通りだろう。 ただ、今回の騒動はもう少し背景を見定