終局後、対戦を振り返る渡辺明永世竜王(左)と羽生善治名人。=18日午後、山形県天童市の「ほほえみの宿 滝の湯」(大山実撮影) 将棋界を牽引(けんいん)してきた羽生棋聖(四冠)に対し、ユニークな言動で話題を呼ぶ24歳の鬼才、渡辺竜王が3連敗後の4連勝という“新記録”を打ち立てて5連覇を達成した。終局後のインタビューに渡辺は、「3連敗をさとった日は、悔しくて3、4時間しか眠れなかった。次で最後になるかもしれないという思いで、悔いのないようにやろうと思った」と喜びを爆発させた。 渡辺は囲碁のタイトルホルダーと競馬場に現れ大好きな予想を披露したり、トップ棋士が敬遠するコンピューターとの対局に臨み、ファンをわかせたこともある。その生活ぶりをインターネットのブログで公開し、対局の解説までしてファンにサービスする。 出足から3連敗した時点で、関心は羽生の永世七冠達成に移った…というのが大方の見方だった。
シリコンバレーから将棋を観(み)る―羽生善治と現代 [著]梅田望夫[掲載]2009年7月5日[評者]奥泉光(作家、近畿大学教授)■「指さないファン」でいいじゃない 将棋ファンといえば、将棋を指すのが好きな人のことだと普通は思うわけなのだけれど、将棋を指さない将棋ファンも世間にはけっこう存在する。かくいう私がそうだ。つまりプロ将棋の観戦を趣味にしているので、これがすこぶる面白いのだ。 本書にも書かれているが、自分ではサッカーや野球をやらない人でも、スポーツ観戦を楽しむことはできる。ならば、それと同じようにして将棋観戦を楽しんでもいいはずではないか。とはいえ、イチローのサードへの返球の凄(すご)さは、見れば誰にでも理解できるけれど、たとえば今期の名人戦第七局、羽生名人の作戦勝ちを決定づけた31手目「4六歩」の凄さは、素人には分からない。プロ棋士から解説してもらって、なんとなく分かった気になれる
(※)この記事は前編の続きです。前編:日本のWebは「残念」 梅田望夫さんに聞く ――インターネットの可能性は上から下まで開かれているところにあると思います。梅田さんの著書を読んでいると、例えば、最新刊「シリコンバレーから将棋を観る」の前書きにも、将棋を愛する人物の例として、医者や会社社長など肩書きのある“ハイソ”な人ばかり出てきて、「頭のいい人はすばらしい、頭のいい人は分かっているよね」とおっしゃっている印象を持ちます。 そういう言われ方をすれば、もうみんなそう思っていると思うけど、僕はそういう人間だよ。ハイブロウなものが好きですよ。それはしょうがないじゃない。 それは否定しないよ。僕はそういう人間だからね。でもね、本当はできる人が「できない」と言う文化は嫌いですね。本当はできる人が「自分はダメである」といってみんなと仲良くせざるを得ない日本の社会というのは嫌いですよ。 高校生でも中学生
一冊の著作物が本になって、それが多くの人の手に渡る。それを手に入れて読みたいと思った人が、時間、労力、金銭によるコストを負担せずに手に入れられる。 そのような世の中は、もうすでにやってきていると思う。 グーグルの書籍検索サーヴィス? アマゾンのなか見!検索? それもあると思う。だけれど、それとは違った風が、局所的ではあるけれど、誰にもそれを阻むことのできないようなかたちで、巻き起こっている。 こんどの梅田望夫の著書『シリコンバレーから将棋を観る - 羽生善治と現代』は、そのような事件かもしれない。 梅田望夫は自分の書いた著作物をタダで配ることに、早くから意識的であった。「英語で読むITトレンド」というブログ連載では、自分の集めたテクノロジ産業のヴィジョナリー(将来を予見する人)の論考に解説をつけ、それを1年半ほどにわたって毎日タダで配布した。それが売り物として価値のあるものか、当時すでに著
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