拉致されてから約2時間後、被害者は、国道50号から少し南に入った、静まり返った田んぼのあぜ道で解放された 凶悪事件は、テレビゲームがきっかけだった。 「ゲームをしてるだけじゃ、面白くねーなあ」「負けたら罰ゲームをしよう」 昨年8月、知人の家でテレビゲームに興じていた18歳の4人が、誰とはなしに言い出した。4人は、下都賀郡の中学校の同級生。県外に出ていた者も、夏休みで帰省していた。 最初に思い付いたのは「橋から川に飛び込む」だった。だが、あれこれとアイデアを出し合ううちに「バイクに乗ってひったくりをしよう」とエスカレート。最後は「誰かを拉致しよう」で、意見がまとまった。 「最近、生意気だ」といった理由で標的に選んだ最初の2人は拉致に失敗。数日後の深夜、別の同級生に携帯電話をかけて駅に呼び出すことに成功すると、近くの空き地に誘い込み、待ち構えていた3人が襲いかかって後ろ手に縛り、車のトランクに