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ブックマーク / magazine-k.jp (16)

  • コンピューターのパラダイム転換から半世紀

    「〇〇周年」という言葉は、普通は企業などがマーケティング用に連呼する常套句だが、今年2018年はパーソナル・コンピューターの歴史上、こうしたセールスとは無縁だが、忘れてはならない重要な「事件」が起きて50周年という意味深い年だった。 「すべてのデモの母」 1968年12月9日、サンフランシスコ市庁舎脇のブルックスホールでは秋季合同コンピューター会議の年次総会(FJCC)が開催されていた。この会合で基調講演を行ったスタンフォード研究所(SRI)の研究者ダグラス・エンゲルバートは、1200人もの観衆が集まる暗いホールに設置された当時は珍しかった大型プロジェクターの前で、NLS(オンラインシステム)という奇妙な仕掛けのデモを挙行した。 彼の発明したマウスというデバイスで動くカーソルが、文字をその場でコピペしたりリンクを張ったり、ウィンドウという画面を開くのを見て、タイプライターのようなキーボード

    コンピューターのパラダイム転換から半世紀
    higedice
    higedice 2019/01/29
    アラン・ケイ、研究から退きNPO団体を支援か。
  • 神保町ブックセンターは本の町を再起動させるか

    神保町交差点の角に立地し、ながらく「岩波ブックセンター」の名で親しまれてきた信山社は、同社の代表取締役会長だった柴田信さんの急逝により、2016年11月に休業・破産手続きにはいった。その後、用途が宙ぶらりになっていた「の町」の一等地の行方には、多くの人が期待や不安とともに、関心を寄せていたことだろう。 この岩波ブックセンターの跡地に、「神保町ブックセンター with Iwanami Books」(以下、神保町ブックセンターと略記)という施設が今年4月に開業することを、その運営主体となるUDS株式会社が1月31日に発表した。広い意味での「の施設」としてこの場が続くことを知り、私もホッとした気持ちになった。 プレスリリースによると、神保町ブックセンター は書店・コワーキングスペース・喫茶店の複合施設であり、「を中心に人々が集い、 これからを生きるための新しい知識・新しい仲間に出会える”

    神保町ブックセンターは本の町を再起動させるか
    higedice
    higedice 2018/02/02
    岩波ブックセンター跡
  • 書誌情報の「脱アマゾン依存」を!

    去る8月25日、図書館蔵書検索サービス「カーリル」のブログに掲載された「サービスに関する重要なお知らせ」を読んで、驚いた人は多いと思う。この日のブログにこのような一節があったからだ。 カーリルでは、Amazon.com, Inc.が保有する豊富な書誌情報(のデータベース)をAmazonアソシエイト契約に基づき活用することにより、利便性の高い検索サービスを実現してきました。現在、Amazon.comよりカーリルとのAmazonアソシエイト契約が終了する可能性を示唆されているため対応を進めています。 Amazonアソシエイト契約の終了は現時点で決定事項ではございませんが、カーリルではこの機会に、Amazonのデータを主体としたサービスの提供を終了し、オープンな情報源に切り替える方針を決定しました。現在、新しい情報検索基盤の構築を進めておりますが、状況によっては一時的にサービスを中断する可能性

    書誌情報の「脱アマゾン依存」を!
  • ロビン・スローン氏に聞く〜「EPIC2014」から『ペナンブラ氏の24時間書店』まで

    2004年に発表されるやいなや、世界中のメディア関係者に衝撃を与えたフラッシュムービー「EPIC2014」。2014年が到来するまでには、アマゾンとグーグルが合併して「グーグルゾン(Googlezon)」という巨大メディア企業が生まれ、記事の多くをコンピューターが自動生成するようになる。そこでは多くのフリーランスの「エディター(いまの言い方でいうとキュレーター)」が記事を選択して配信し、広告収入の分配を受けて暮らすようになる。他方でニューヨーク・タイムズは著作権についての訴訟に敗れてオフラインに戻り、エリートと高齢者のためのメディアになる……。 この映像の予測は、いま思えばとてもよく当たった(Googlezonは誕生しなかったが、プラットフォームがメディアを支配するようになった。ニューヨーク・タイムズはオンラインにとどまっているが、新聞の影響力は大きく下がった)。この映像を作ったのが、ロビ

    ロビン・スローン氏に聞く〜「EPIC2014」から『ペナンブラ氏の24時間書店』まで
    higedice
    higedice 2017/03/31
    グーグルゾンのFPIC2014の人、小説家になっていた。
  • 日本十進分類法のオープンデータ化に向けて

    図書館は、分類番号順に棚に整理されています。このとき使われる分類規則、日十進分類法(NDC)は、国内の図書館の事実上の標準となっています。 しかし、二次利用やデータ公開が公益社団法人である日図書館協会により大幅に制限されており、検索精度の向上や様々な分野での図書館データベース活用の大きな障害となっています。また、カーリルのような新しい事業者には多額のライセンス料とデータの再配布を制限する契約を要求する一方、従来からNDCを活用している事業者はライセンス料を一切負担していません。このような運用は公益社団法人としてふさわしいものではありません。 NDCは公共性の極めて高いプロトコルであり、だれでも、いつでも活用できるようにするべきです。これまでカーリルでは日図書館協会に対して再三にわたりオープンデータ化を要請してまいりましたが未だ実現しておりません。現在、図書館関係者有志によりND

  • 活発なオンラインコミュニティの作り方

    「オンライン読者コミュニティ運営の秘訣を教えてください」 たくさんの人たちからよく聞かれる質問です。「スマート・ビッチズ・トラッシー・ブックス(SBTB)」は世界中あらゆる地域の150カ国から読者が集まる、ロマンス小説ファン向けのオンライン読者コミュニティです。コミュニティの活動は活発で、コメントや議論の応酬が何日も続くことも珍しくありません。ここに集う人々の態度は、率直かつ誠実で心がこもった会話にあらわれています。SBTBはどのページも引き込まれるような知的な会話にあふれており、そのことは私の誇りです。 私が友達と一緒にSBTBを始めたのは2005年でした。コミュニティをどうやって構築したらいいのかを教えてくれるマニュアルや道標はいっさいなく、手探りで初めたウェブサイトですが、2015年1月で10周年を迎えます。 少なからぬ人が、私にこう訊ねます。 「10年の間、ロマンス小説について毎日

    higedice
    higedice 2015/05/20
    「スマート・ビッチズ・トラッシー・ブックス(SBTB)」
  • 本の力、本棚の力

    一年ぐらい「の力」「棚の力」という言葉が僕の中で引っかかっていて、でもずっとそれをうまく言葉にできずにいる。コンテンツの流通だけを思って「Book as a Service」のようなことを考える一方で、コンテンツの旧世代のコンテナでしかないはずのというモノ、棚という場所、そして屋さんがどこに行ってしまうのかが気になり続けてる。 ヘッダ写真は文中に出てくる『屋会議』を、年末の天狼院書店で読んでいたときのものだ。を書店に持ち込んで、紅茶を買ってコタツで読む。そうした屋さんが増えていることも、棚と屋さんについて考えるようになった理由のひとつにある。 文の力との力 屋が消えていく、という話を聞く。そういえば、自炊(を自分でスキャンしてPDFなどのデータファイルすること)によって、僕の家からもが大量に消えていく…というか、だいたい消えた。これから僕の家から消えていく

    本の力、本棚の力
    higedice
    higedice 2015/03/25
    面白みのない本屋から順に消えている傾向はあるんだけど、そうでない本屋も無くなっているんだよなあ。
  • あらたな時代の本のスタイルを求めて

    今年最後の「マガジン航」の記事をお送りします。最近読んだ、二つのの話題です。ひとつはボイジャーから紙の電子書籍として同時に刊行されたクレイグ・モド氏の『ぼくらの時代の』、もうひとつは新潮社から刊行された山貴光氏の『文体の科学』。どちらからも、きわめて新鮮な刺激を受けました。大げさではなく、この二冊には「の未来」を考えるためのたくさんの鍵が隠されている――そう思える理由を、今年を締めくくるにあたり、つらつらと書いてみることにします。 を「デザイン」と「スタイル」から考える この二冊にはいくつか共通点があります。ひとつは著者のバックグラウンドです。クレイグ・モド氏は紙のの装丁、スマートフォン用アプリや電子書籍のデザインと設計に携わってきたデザイナー・開発者であり、自身でもPRE/POSTという出版レーベルを主宰するパブリッシャーでもあります。また山貴光氏はゲーム作家としての経

    あらたな時代の本のスタイルを求めて
  • 楽天Koboライティングライフが日本で開始

    12月18日午前10時、「楽天Koboライティングライフ」のベータ版がリリースされました。7月の東京国際ブックフェアでは「年内リリース」と予告されていたので、「なんとか間に合った」といったところでしょう。リリース当日、渋谷の楽天カフェで行われた記念イベントに行ってきましたが、懇親会では関係者の方々が少しほっとしたような表情だったのが印象的でした。 コンセプトは「出版に自由を」 イベントはまず楽天ブックス事業 副事業部長 田中はる奈氏が、楽天Koboライティングライフのコンセプト「出版に自由を」について説明しました。 ・著者がストレスなく簡単にコンテンツを出版できること ・著者ができる限り多くの読者へアクセスできるようにすること ・著者が自分のを効果的にプロモーションする体制を整えること それを実現するための特徴は、以下の3つとのことでした。 ・価格を無料に設定できる ・独占配信じゃなくて

  • キンドル・アンリミテッド登場は何を意味するか

    米アマゾンが定額読み放題サービス、「キンドル・アンリミテッド」を始めた。OysterやScribdといった他の定額Eブック読み放題サービスも既に始まり、TxtrやBlloonといった、どこの誰がやっているのかわからない同様の新参サービスもできはじめている。 も「定額読み放題サービスが主流」になるのか? デジタル時代に音楽配信がiTunesやMP3ファイルのダウンロードから、PandoraやSpotifyなどに代表されるストリーミングサービスに代わり、映画やTV番組がオンデマンドのケーブルサービスからNetflixGoogle Playなどのストリーミングサービスに代わってきつつあるのを目の当たりにすると、も当然、定額読み放題サービスが主流になっていく、と論じる者がいてもおかしくはない。 だが、当にそうだろうか。 いまのところ、キンドル・アンリミテッドが提供する60万タイトルのうち、

    キンドル・アンリミテッド登場は何を意味するか
    higedice
    higedice 2014/07/30
    <映画業界のように、それを享受する側が、公開時に劇場に足を運んででも観たい作品と、定額ストリーミングサービスにそれがあればスキマ時間に楽しめばいい作品とを、各自が線引きするようになるのではないか>
  • 「出版者」たちの時代がやってきた

    エリプリル・フールの日があけるのをまって、連載記事を二つ更新しました。一つは2月末から短期集中連載としてお願いしていた、結城浩さんの「私と有料メルマガ」の「第三回 継続編」。これにて連載は完結となります。メールマガジンを発刊しようと思い立ったときから現在にいたるまでの、結城さんの思考と実践の変遷を振り返ったエッセイですので、ぜひ「第一回 皮算用編」「第二回 転換編」とあわせてお読みください。 結城さんのこの連載は、私が有料メルマガについて、Facebook上でどなたかの「有料メルマガは著者と読者を不幸にしている」との発言を受けて、次のような否定的な考えを述べたのがきっかけです。 「メルマガはとっていても読む暇がないし、読んでも購読してない人とは話題を共有しにくい。あくまでもファンクラブの会報みたいなものだと思ってます。もうちょっとよいプラットフォームができないかな」 これに対して結城さんか

    「出版者」たちの時代がやってきた
  • アメリカの電子書籍、“ブーム”は終了

    2013年の書籍総売上の数字がAAP(全米出版社協会)から発表された。これは会員となっている約1200社の売上(つまり卸値)を計上した数字で、日で書籍の売上が発表されるときの末端小売価格でのの総売上げとは違うのでご用心を。 書店での総売上金額は、ニールセン社がやっているPOS集計の書籍売上サービスBookScanの数値などから想定するしかなく、具体的な数字は今年後半にならないと上がってこないだろう。AAPの数値にしても、メンバー社の報告のみなので全てをカバーしているわけではない。 それによると2013年の書籍総売上は約150億ドル、前年比で1%増。私が機会あるごとに日の出版業界に向けて言ってきたように、アメリカは日のような「出版不況」という状況にないので、2008年9月のリーマンショックの翌年を除けば、書籍の売上はここ15年ほど毎年数%ずつ微増している。この間の米経済インフレ率を考

    アメリカの電子書籍、“ブーム”は終了
  • 短期集中連載「私と有料メルマガ」 第三回 継続編(完結) « マガジン航[kɔː]

    はじめに こんにちは。「私と有料メルマガ」という短期集中連載の第三回目です。 もともと、この短期集中連載を書くきっかけとなったのは、有料メルマガに対して、 有料メルマガはWebに比べてクローズドで、読者は広がらない。 有料メルマガの著者は少ない人数のために力を割かなくてはいけない。 という意見を聞くことがあるからです。その意見は私も理解できるのですが、自分が有料メルマガを運営しているときに感じていることとはずいぶんずれがあるように思いました。そこで、自分が「結城メルマガ」を二年間、100回以上継続してきた経験を書こうと思ったのです。 第一回 皮算用編では、私が「結城メルマガ」を始めようとした経緯と、始めたばかりの頃に起きたことについて書きました。 第二回 転換編では、初期の体験から自分が考えたこと、そしてそれを踏まえて行った「結城メルマガ」の方針変更を書きました。特に、書籍の執筆とメルマガ

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    higedice 2014/04/04
    <感想メール><新しい試み><速いテンポで読者さんに届けることができ、しかも短くてもいい…電子書籍が持っているテンポの速さや長さの自由度は、メルマガも持っている><閉じたパッケージ>
  • 第10回 なぜ人は書庫を作ってまで本を持ちたがるのか

    前回は電子化という方法で蔵書問題を解決したケースをみてきた。 武田徹さんと大野更紗さん。二人に共通しているのは、電子よりも紙のの方が読みやすいという考えだ。大量に電子化してしまったことを武田さんは後悔していた。日常的に電子化をくり返し、電子化したを後もちゃんと読むと言った大野さんにしても「リーダビリティは紙が上」「日語のは紙で手に入れたい」と言ったことを話していた。 全ての蔵書を電子化してしまうのは味気ないと僕も思う。iPadなどのタブレットの出現、読みやすさを劇的に良くするアプリの開発という二点によって、「電子化された書棚」というものの活用が可能になってきた。だけれども、それは、武田さんのような尖った人の新しいことへの挑戦か、場所がないけどをたくさん所有したいという矛盾を解決するための打開策として実践するか、どちらかでしかやる価値がないのではないだろうか。 物体としてのを増

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    higedice 2014/03/05
    すごい話
  • 第1回 皮算用編

    はじめに こんにちは、結城浩と申します。 「数学ガール」シリーズという数学物語や、プログラミング技術に関する書籍を書いています。 今回は「私と有料メルマガ」というタイトルで、私が運営している有料メールマガジンについての記事を書きます。 想定している読者として、自分で有料メルマガを運営したいと思っている方はもちろんのこと、文章やコンテンツ作成に関心のある方全般を考えています。 有料メルマガに対しては、ときどきこのような意見を聞くことがあります。それは、 有料メルマガはWebに比べてクローズドで、読者は広がらない。 有料メルマガの著者は少ない人数のために力を割かなくてはいけない。 というものです。私もその意見は理解できるのですが、自分が有料メルマガを運営しているときに感じていることとはずいぶんずれがあるように思います。 そこで私は、自分の有料メルマガの運営経験を文章にまとめてみようと思いました

    第1回 皮算用編
    higedice
    higedice 2014/02/27
    有料メルマガ2つ取ってるけど、作者とのTwitter的距離感の近さと、一流の人に質問するのに遠慮がいらない感じがする。
  • 電子書籍についての私的考察メモ

    最近「電子出版」や「電子書籍」について聞かれることが増えてきた。仕事の中で実際にEPUBやPDFを作成して配布・販売することもある。しかし、自分でもまだ「電子出版/書籍」とはいったい何を指すのか、よく理解できていない部分がある。もともと「出版/書籍」とは何ぞや? という問いにきちんと答えることだって簡単ではないだろう。 特に最近の「電子書籍」に関する話題は、「出版印刷配ビジネス」としての経済的な側面と「読書のあり方」という文化的事象としての側面が同時に語られてしまい、この話をわかりにくいものにしているとも思う。ここでは自分自身の思考実験というか、考えのメモみたいな形で「電子書籍とは何か」を少し絞り込んでみよう。 前半は電子化による「出版」ビジネスの変化について、後半は「電子」の質について考えてみた。これらは現時点での私的な考察であって、新たな情報が入ってくれば考えもどんどん変わるだろ

    電子書籍についての私的考察メモ
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