タカタは結局、法的整理の道を選び思惑は外れてしまった。損失額は「100万円単位」になる見通しだ。朝日さんは「会社自体は素晴らしいと思うが経営者がいまいちだった」と振り返る。自社に有利な再建策にスポンサー候補や自動車メーカーを「言いくるめられなかったということはそれだけ経営者が弱かったということだ」という。 高田重久会長兼社長が法的整理による再生を決断したタカタは祖父にあたる武三氏が1933年に滋賀県彦根市で創業。2代目の重一郎氏がシートベルトやエアバッグなどの新規事業に参入して業容を拡大した。今も高田家が事実上、株式の半数以上を保有している。時価総額で2000億円以上に達していたこともあり、国内有数の富豪だった一族の資産もほぼすべてが消失する。 上場廃止へ 高田会長は民事再生手続きを申請した26日の会見で「創業家といっても実際には売れないと思っていた株があってそれが資産のほぼ100%」と