遠野物語 (新潮文庫)/新潮社 ¥340 Amazon.co.jp 柳田国男『遠野物語』(新潮文庫)を読みました。 語り継がれて来た民話の調査や、伝統的な生活文化などを研究対象にした学問に、民俗学があります。 日本の民俗学は独自の発展を遂げたのですが、そうした日本民俗学の道を切り拓いたのが、柳田国男(やなぎたくにお)です。 あえて研究対象に取り上げていない領域が指摘されたりと、柳田国男は現在では批判的に語られることも多いのですが、弟子にあたる折口信夫と並んで、民俗学で今なお有名な人物でしょう。 そんな柳田国男の数ある作品の中でも最も愛され、読み継がれているのが、今回紹介する『遠野物語』ではないかと思います。 『遠野物語』は、岩手県遠野市に伝わる話を佐々木喜善(筆名は鏡石)から聞き、簡潔な文章で119の短い章にまとめたもの。 民俗学は一般的ではなかったため、最初は自費出版の形で発表されました