■狙いは財政改善、賛否渦巻く 財政難の大阪府泉佐野市が、市の名称を企業名や商品名に変更するネーミングライツ(命名権)売却を検討していることで波紋が広がっている。名称変更は、市議会による条例案可決で可能だが、総務省の担当者も「命名権売却による変更は聞いたことがない」という異例の事態に、各方面から賛否の声が寄せられている。(藤原由梨) 関西国際空港の対岸に位置する泉佐野市は、平成6年の関空開港に合わせ、道路や下水道といったインフラ整備に加え、病院や総合文化センターなどの建設に約2千億円を投じた。 しかし、バブル崩壊による景気の減速で、市内への企業進出や関空利用者数が低迷。当初、市が見込んでいた税収額に届かなかったことで赤字が膨らみ、21年度には財政破綻一歩手前とされる早期健全化団体に指定された。市は26年度末の健全化団体脱却を目指し、人件費削減などで財政の