大阪市教育委員会は8日、1997年に起きた神戸連続児童殺傷事件の加害男性の手記「絶歌」について、市立24図書館で18歳未満への閲覧・貸し出しを禁止することを決めた。同書の取り扱いを巡っては、日本図書館協会(東京)が取り扱いを制限すべき事例には当たらないとの見解を示しているが、各地の図書館で判断が割れている。 市教委は年齢制限の設定について「大きな社会問題になった少年犯罪の加害者の手記が、人格形成期にある青少年の健全な育成に及ぼす影響を考慮する必要がある」と説明した。 男性が「元少年A」としてつづった「絶歌」は6月10日に太田出版(東京)から出版。増刷分を含め25万部が発行されている。 大阪府立中央図書館は「幅広い資料を集めて府民に届けるのが図書館の役割」として、年齢制限を設けず貸し出す。事件の現場となった神戸市は「地元の図書館として遺族の人権を擁護する」と所蔵自体を見送った。兵庫県立図書館