■大声でよく笑う悲観主義者 デヴィッド・ボウイに代わってデヴィッド・ボウイになりたい人間ならこの本は彼らにとってバイブルに違いないが、ボウイ当人はデヴィッド・ボウイに辟易(へきえき)としながらも別の架空のロックスター「ジギー・スターダスト」を想定して見事スーパースターになるという現代の神話である。ところが、それがどうした、という結果を招いたことにあわてたボウイはリアリティーを取り戻そうとするが何をやっても飽き性な性格は22歳で肉体的に中年が目前だと言い、「僕はとんでもなくビッグになるよ、ある種自分でも怖いぐらいだ」と豪語する。スーパースターの末路に危険な運命が口を開けて待っていることに彼は気づいていたのだろうか? スーパースターを導く運命の女神が死の案内人であることを。知ってか知らずか彼はバイセクシュアルを愛すると同様に死を偏愛しながら、かつてのスーパースターたちと同じ運命を歩んでいる。
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