【2011年6月7日 CERN】 欧州原子核研究機構(CERN)は、これまで1秒も保持することのできなかった反水素原子を1000秒も保持することに成功したと発表した。この成功は宇宙誕生後に反物質だけが消えてしまった謎を解く大きな一歩である。 実験に用いた磁気瓶の模式図と反水素のポテンシャル図。aの図はpと書いてあるところから反陽子を、e+と書いてあるところから陽電子を注入して、MREと書かれたところで反水素を生成する。bの図は反陽子と陽電子のポテンシャルエネルギーを表す。反陽子と陽電子の両方があるとポテンシャル面が平らになり、そこで反水素が形成される。クリックで拡大(提供:理化学研究所。以下同) 閉じ込めていた時間と閉じ込めることができた粒子の数。長い時間が経っても安定して反水素原子を保持しておくことができていたことがわかる 消滅までの時間と消滅した場所のシミュレーションと実測値の比較。横