ヤジと下水と機械工業 集団的自衛権の行使容認というとんでもないことが閣議決定されてしまったおかげで、すでに記憶の彼方となりつつあるが、二〇一四年夏、直前に日本のメディアを騒がせていたのは東京都議会ヤジ問題だった。晩婚化対策に関して質問する未婚の女性議員に、与党席から「早く結婚しろ」「自分が産んでから」とヤジが浴びせられた件だ。ヤジ以上に謝罪の言葉がすごかった。名乗り出た発言者の男性議員は「素晴らしい方なので早く結婚してほしいと思った」とのたまい、与党幹事長まで「結婚したくてもできない人たちのために、党全体として強力な政策実現を」云々と詫びを入れる始末。まったく問題の本質を理解できていないし、さっぱり謝罪になっていない。 そういえば二〇〇七年には「産む機械」発言というのもあった。出産可能年齢にある女性、すなわち「産む機械」の数は決まっているから、あとは一台あたりの生産性の向上を、という話だ。