人事制度面での大改革と言われる「成果主義」。 10年後には日本でも常識になっているかもしれない。 だが、この欧米発のシステムが企業内に混乱をもたらすことはないのか。 成果主義で成功する企業と失敗する企業はどこが違うのだろうか? 売上高1兆円、経常利益1000億円の絶頂から、わずか十数年で無残な「負け組」へ――。日本を代表するリーディングカンパニーの富士通があっという間に転落したのは、同社が1993年に鳴り物入りで導入し話題になった「成果主義」が一つの原因ではないかと見られている。目標シートも書けない管理職、主導権を握ろうとする人事部、やる気を失っていく社員たち……新しいシステムがいかに会社組織を病んでいったのか、同社の元人事部員で成果主義を推進する立場にあった城繁幸氏が赤裸々に語る。 じょう・しげゆき●1973年山口県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通に入社。当時、富士通は他企