《要約》 目的 左冠動脈主幹部閉塞の心電図的特徴を特定すること。 背景 左冠動脈主幹部閉塞は重大な血行動態の悪化を招き、予後不良である。そのため、左冠動脈主幹部閉塞の予測は適切な治療戦略を選択する上で重要である。 方法 左冠動脈主幹部の急性閉塞の連続16例(LMCA群)、左冠動脈前下行枝の急性閉塞46例(LAD群)、右冠動脈の急性閉塞24例(RCA群)の入院時心電図を調べた。 結果 aVR誘導でのST上昇(>0.05mV)は、LAD群やRCA群よりLMCA群で有意に多かった(LMCA88%、LAD43%、RCA8%)。aVR誘導でのST上昇は、LAD群よりLMCA群で有意に高かった(LMCA群0.16±0.13mV、LAD群0.04±0.10mV)。V1誘導でのST上昇は、LAD群よりLMCA群で有意に低かった(LMCA群0.00±0.21mV、LAD群0.14±0.11mV)。aVR誘導