結婚した後の「旧姓使用」に法律的な根拠を与えられるか――。いわゆる選択的夫婦別姓をめぐる訴訟の準備が行われている。その原告となった一人が、グループウェア「サイボウズOffice」などを手がけるソフトウェア会社「サイボウズ」の社長・青野慶久氏だ。 なぜ裁判を起こすことになったのか。サイボウズ本社で青野社長に話を聞いた。 青野 私が結婚したのは2001年。1997年に創業したサイボウズが2000年に上場しましたので、その翌年ということになります。結婚する際、妻からは「姓を変えたくない」と要望があったので、正直あまり深く考えずに「じゃあ私が変えます」と応じたのがコトの発端でした。戸籍上、私は妻の姓・西端になったのです。それからが本当に大変でした。公的な文書はもちろん、クレジットカードからポイントカードまで、財布の中身は全部書き換え。社内では現在に至るまで「青野」で通していますけど、株主総会では「