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ブックマーク / natrom.hatenablog.com (40)

  • 撤回された論文は根拠にならない - NATROMのブログ

    2023年8月からX(旧Twitter)にて、元杏林大学保健学部准教授の平岡厚さんと対話を続けています。HPVワクチンは安全で効果的というのが世界中の専門家のコンセンサスですが、平岡さんはHPVワクチンの深刻な副反応・薬害が相当規模で存在すると主張しています。 HPVワクチン接種の有無にかかわらず血液脳関門の異常で害が起きるのは当然 平岡さんが提示する仮説の一つは「日常的に抗体値を高くさせられている人は、血液脳関門に異常が生じた場合、通常なら中枢神経系に入らない物質が侵入して悪さをするのでは」というものです*1。しかし、私のみるところでは平岡仮説はとくに根拠がない思い付きに過ぎないように思われました。 「日常的に抗体値を高く」するのはHPVワクチンだけでなく、他のワクチンだって同じです。B型肝炎ワクチンはHBs抗体価を高くしますし、麻疹ワクチンは麻疹ウイルス抗体価を高くします。なんならワク

    撤回された論文は根拠にならない - NATROMのブログ
    hisawooo
    hisawooo 2024/01/31
    参照していた論文が実は撤回されていたとかならまだわからなくもないが、「撤回論文が示唆しています」と平然と言ってのける相手と議論していたら、私だったら頭がおかしくなりそうです。
  • 和田秀樹氏に答えていただきたい3つの質問 - NATROMのブログ

    和田秀樹氏は『80歳の壁』など、多くの著作で知られる医師です。毎日新聞医療プレミアの『「老い」に負けない ~健康寿命を延ばす新常識~』において、「私自身が200以上の血圧を何年も放っておいて平気だったように、今は血圧が200以上でもまず血管が破れることはない」と書いておられました*1。 高血圧は脳出血の介入可能な最大のリスク因子です*2。最適治療目標など細かい議論はあるものの、基的には、血圧を下げる治療が、脳出血をはじめとした脳血管障害(脳卒中)や心筋梗塞を代表とする心血管疾患を減らすことについて専門家の間で議論はありません。和田秀樹氏自身が「200以上の血圧を何年も放っておいて平気だった」のが事実だとして*3、一般読者が「収縮期200mmHg以上の血圧を何年も放置しても平気なのだ。放置してよい」と解釈しうる文章を書くのは医師として不適切だと私は考えます。 そう考えたのは私だけではなかっ

    和田秀樹氏に答えていただきたい3つの質問 - NATROMのブログ
    hisawooo
    hisawooo 2023/07/28
    多分無視かな〜
  • 「血圧200を放っておいたが問題なかった」などと放言する医者を信じてはいけない! - NATROMのブログ

    プレジデント2022.10.14号で「信じてはいけない!健康診断、医者、クスリ 最新版・コロナ対応 病院に頼らない生き方」という特集が組まれ、養老孟司氏と和田秀樹氏の対談が掲載されました。その対談から和田氏の発言部分を引用したツイートが6000件以上のリツイート、1.6万件以上の「いいね」がされました。 これ、もう答え出てるじゃん。 プレジデント 2022.10.14号 和田秀樹氏 pic.twitter.com/AW5M7xfsCK— のりのりもふもふ (@SFtFQjTAUuQzPVF) October 6, 2022 引用された和田氏の発言は「財政破綻した夕張市が結果的に社会実験になりました。市民病院が廃院になって、19床の診療所だけになり、しかも無料バス廃止で通院に1000円かかるようになり、多くの人が医者にかかれなくなった。市民の健康状態は悪化するのかと思われたが、ほとんどの病気

    「血圧200を放っておいたが問題なかった」などと放言する医者を信じてはいけない! - NATROMのブログ
    hisawooo
    hisawooo 2022/10/24
    アダラート舌下・・・???
  • 患者家族とのトラブル - NATROMのブログ

    埼玉県ふじみ野市において、訪問診療をしていた医師が患者の息子に散弾銃で撃たれ死亡するという事件が起きた。患者である母親が亡くなったことがきっかけになったという。事件については報道でしか存じ上げないし、これから新事実が出てくるかもしれない。この記事は、医療職と患者家族の関係の難しさの一端について知ってもらうのが目的であって、個別の事件において真相はこうだったのかもしれないといった推測ではない。 また、以下に述べる事例は、私の見聞きした経験をもとに改変したものであり、事実そのままではない。仮に当事者が目にしたとしてそれが自分たちのことであるとはわからないようにまで変えてある。ただし、問題の質については伝わるはずだ。ご理解をいただきたい。 患者さんがよいケアを受け、病状が改善することをご家族が願うのは当然だ。ただ、その願いがきわめて強い患者家族がいらっしゃる。介護のためにご家族が仕事を辞め、ず

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    hisawooo
    hisawooo 2022/01/31
    ボカしてるというかあるあるだもんな〜特定できないよな。
  • 「万能薬」ができるわけ - NATROMのブログ

    ニセ医学の多くは効果が特定の疾患に限定されず、きわめて多様な疾患に効くと吹聴されている。例を挙げれば、血液クレンジングは慢性疲労・肩こり・冷え性、頭痛、不妊症、更年期障害、高脂血症、高血圧、花粉症、アトピー性皮膚炎、認知症・脳血管障害の予防、美肌効果、気管支喘息、動脈硬化・狭心症・心筋梗塞の予防、がん、悪性リンパ腫、白血病、インフルエンザ、肝炎、HIVに適応があると称されている*1。まさしく「万能薬」と言っていい。 「こすぎレディースクリニック」のウェブサイトにあるオゾン療法(血液クレンジング)の適応(一部)。「stage IVの非小細胞肺がんに効果がある」などと適応を絞ったニセ医学はあまりない。万能を謳う理由の一つは潜在的な顧客(カモ)の数であろう。商売をするなら顧客が多いほうがいいので、がんにもアトピーにもアンチエイジングにも効くと称しておくほうが都合がいい。 ニセ医学の適応が広い理由

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    hisawooo
    hisawooo 2021/12/01
  • 「論座」の新型コロナ感染症の記事から学べること - NATROMのブログ

    「論座」に新型コロナウイルス感染症を疑う症状を経験したジャーナリスト、佐藤章氏による記事が掲載された。患者さんの視点で気持ちの推移やPCR検査の経験を伝える良い記事である。 ■私はこうしてコロナの抗体を獲得した《前編》保健所は私に言った。「いくら言っても無駄ですよ」 - 佐藤章|論座 - 朝日新聞社の言論サイト ■私はこうしてコロナの抗体を獲得した《後編》PCR検査の意外な結果、そして… - 佐藤章|論座 - 朝日新聞社の言論サイト ただ、医学が専門ではない方が書いたため仕方のないこととは言え、いくつか医学的な誤りが散見される。誤解が広まると感染防御の点から弊害が生じることが懸念されるため、ここで指摘しておく。 症状出現から1回目の抗体検査まで ことの経過は3月29日の深夜12時前に38度の発熱から始まる。適切に家庭内隔離が行われた後、2日間は37度5分前後と微熱が続き、4月1日には平熱と

    「論座」の新型コロナ感染症の記事から学べること - NATROMのブログ
    hisawooo
    hisawooo 2020/04/25
    良記事
  • 布マスクはないよりマシなのか? - NATROMのブログ

    ■「子供のマスクは手作りを」 学校再開に向け文科省が呼びかけ - 毎日新聞という記事が出ていた。文部科学省が手作りマスクの普及を呼びかけたという。ただ、布マスクが新型コロナ感染症の予防に役立つかどうかは、微妙なところである。現時点では明確な結論は出せない。このエントリーでは、布マスクの感染予防効果を論じた研究、および現時点におけるWHOとCDCの見解を紹介し、その上で、私の個人的な見解を述べる。 布マスクの感染予防の研究、WHOとCDCの勧告 医療機関で働く医療従事者は、自らが感染することを予防するためにマスクを使用する。通常は、使い捨ての医療用マスクを使用するが、布製のマスクで代用可能かを検証したクラスターランダム化比較試験が行われた*1。論文によると布マスクについて行われた最初のランダム化比較試験で、私が調べた範囲内では布マスクの臨床における感染予防を評価した唯一のランダム化比較試験で

    布マスクはないよりマシなのか? - NATROMのブログ
    hisawooo
    hisawooo 2020/03/27
    現実問題、今まで花粉症やらファッションやらでカジュアルにマスクつけていたんだから、もし本当にマスクに害があるのなら平時に十分アナウンスすべきではないですか。(正直たいした害があるようには思えない。)
  • 何も悪いことをしていなくても人々は病気になる - NATROMのブログ

    がんを治すことが証明された事療法は、現時点では存在しない。がんになりにくい事ならある程度はわかっていて、がんの患者さんについても、基的にはそうした健康的な事が推奨されている。詳しくは ■がん体験者の栄養と運動のガイドライン:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ] を参照して欲しい。なにも特別なことはない。「健康的な体重へ減量し、その体重を維持しましょう」「野菜、果物、全粒穀物を多く含む事パターンにしましょう」といったものだ。べてはいけないものはない。当たり前だが、健康的な事をしていてもがんになるときはなる。ましてや、がんを治す効果はない。 何度も書いてきたが、がんに対する厳格な事療法は、効果が不明確なわりに副作用が大きい。単純に栄養の偏り(野菜ジュースを大量に飲むためほかの事が摂取できない、など)が体力を落とす以外にも、自分の好きなものをべられない、とい

    何も悪いことをしていなくても人々は病気になる - NATROMのブログ
    hisawooo
    hisawooo 2019/12/27
    "「100パーセント効く薬はないから、薬を飲めば回復の確率は上がるけど、病気が治るのは運がいいだけ」という話にならないか?"そうだけどなんかおかしいのかな。わしは麻痺してしまってワカラン。
  • 検診で乳がんが発見された人が100人いたとして - NATROMのブログ

    問題。 検診で乳がんが発見された人が100人いたとします。この100人の中で、がん検診のおかげで乳がんで死なずに済んだ人は、何人ぐらいでしょうか? がん検診を行えば何かしら治療を要するがんが見つかる。しかし、がんを発見できること自体は、がん検診が有効であることを意味しない。「手術を要するがんが見つかってよかったのではないでしょうか」に代表されるような、がん検診に関する誤解はなかなか解けない。 マンモグラフィーによる乳がん検診は有効性が証明された数少ないがん検診の一つだが、その乳がん検診の大まかな効果の大きさを理解することで、がん検診一般についての理解も進むのではないか。そういうわけで冒頭のクイズである。もちろん、検診の対象者や乳がんの診断・治療法によってこの答えは変わってくるが、だいたい、大雑把にどれぐらいなのかを推測していただきたい。 現在の日人のデータがあればいいのだが、残念ながら正

    検診で乳がんが発見された人が100人いたとして - NATROMのブログ
    hisawooo
    hisawooo 2019/07/29
    人類には無理/早期発見で温存療法などで済んだ人の数は多分乳癌死を逃れた人の数より少ないので、命に関わりない乳房切除をした人の数の方が多くなるんじゃないかなと推測
  • 新刊『医師が教える 最善の健康法』出ます - NATROMのブログ

    『医師が教える 最善の健康法』というを書きました。内外出版社から2019年6月24日に発売です。 いまアマゾンの紹介文を読んだら、「前著『「ニセ医学」に騙されないために』で「ニセ医学」という言葉を世に定着させた内科医が、たくさんの世界的に認められた論文やガイドラインを丹念に読み、事や睡眠、飲酒、検診、運動のことなど、健康で長生きする確率をあげるための最善の健康法を1冊にまとめました」と書いてありました*1。「ニセ医学」という言葉を世に定着させたのだそうですよ。 前著『「ニセ医学」に騙されないために』も、とても気に入っていて、良い評価もいただいたのだけれども、ニセ医学を批判するだけでは不十分なのは明らかです。誤った医学情報に反対するだけでなく、適切な医学情報を積極的に提供することもまた、重要です。ただ、適切な医学情報について書くといっても、これがなかなかたいへんでした。前著では「これはい

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    hisawooo
    hisawooo 2019/05/25
  • 「子宮頸がんで人は殆ど死なない」のか? - NATROMのブログ

    喫煙の害を過小評価しようとしているのか、「肺がんで死ぬのは10万人に80人、約0.08%である。タバコが肺がん死を数倍増やすとしてもたかがしれている」といった主張を散見する。10万人に80人というのはおそらく、日人男性の肺がん粗死亡率からきている。つまり日人男性10万人につき年間で約80人が肺がんで死亡している。 0.08%を大したことがない数字だと思われるか。しかし、肺がんは日の部位別がん死亡の第一位である。1995年ごろに胃がんを抜きトップに躍り出た。肺がん死がたいしたことがないなら、他の病気もおおむね大したことがないことになってしまう。 ポイントは、死亡率の分母は日人男性全体で、死亡する確率が小さい若年者まで含めた数字であることと、そして何より、一年間あたりの数字であることだ。一生涯ならもっと数字は高くなり、日人男性100人のうち肺がんで死亡するのは約6人、つまり日人男性

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    hisawooo
    hisawooo 2018/07/30
    こんな数字比較してもそもそも意味ないよな
  • HPVワクチンの問題はトロッコ問題か? - NATROMのブログ

    「ワクチンで人が死んではいけない」といった趣旨のツイートがブックマークを集めている。そのいくつかが、HPVワクチンとトロッコ問題の類似性について指摘している。トロッコ問題とは、暴走したトロッコがそのままだと5人ひき殺すことろが、ポイントを切り替えて路線を変えると犠牲者は1人で済むという状況のときに、はたしてポイントを切り替えることは倫理的なのかという思考実験のことである。 確かにHPVワクチンとトロッコ問題は似ている。HPVワクチンを接種すると前がん病変や(おそらく)子宮頸がんを減らせるが、その代わり副作用が生じうる。比較すると利益のほうが害よりも大きいため接種を(国際的には)推奨されている。これは「多数を救うために少数を犠牲にする」トロッコ問題ではないか?しかし、私の考えでは、HPVワクチンとトロッコ問題には重要な違いがある。 トロッコ問題ではポイント切り替え前の犠牲者と後の犠牲者は明確

    HPVワクチンの問題はトロッコ問題か? - NATROMのブログ
    hisawooo
    hisawooo 2018/06/23
    いやもっとエモーショナルな問題で、車に乗って渋滞にあったときより特急乗ったのに信号故障とかで止まって足止めされたときのほうがイライラするみたいな話だと思う。
  • HPVワクチンの「重篤な有害事象」7%は高すぎるか? - NATROMのブログ

    医療情報を吟味し伝える活動を行うコクランがHPVワクチンのレビューを発表した。各新聞社が伝え、また、コクランの日支部による日語訳も読める。 ■英民間組織:HPVワクチン「深刻な副反応の証拠なし」 - 毎日新聞 ■子宮頸がんワクチン、「前がん病変」予防効果は高い…国際研究グループ : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞) ■子宮頸がんおよび前がん性病変の予防を目的とするヒトパピローマウイルスに対する予防的ワクチン接種 | Cochrane さまざまな論点があるが、今回は、HPVワクチンの重篤な有害事象が約7%である点を主に論じる。7%と聞くと不安に感じる人もいても当然であろう。HPVワクチンに子宮頸がんの前がん病変を減らすという利益(今回のコクランのレビューによればだいたい1万人中百何十人、パーセントに換算すると1%強)があるにしても、7%という重篤な有害事象の害と引き合わないの

    HPVワクチンの「重篤な有害事象」7%は高すぎるか? - NATROMのブログ
    hisawooo
    hisawooo 2018/05/22
    いやいや「有害事象」てのは未知の副作用も見逃さないための医療者側の誠意みたいなものなので、有害事象は副作用ではないから心配しなくていいっていうのはなんか逆でしょ、あとベン図副作用が小さすぎし重なり方変
  • 甲状腺がん検診は医療過誤なのか? - NATROMのブログ

    「容疑者@白石隆浩 ♀は俺 ♂の嫁♪」さん( https://twitter.com/SOSFukushima/status/943969668510781440 )からのご質問にお答えします。 甲状腺の検査は医療行為である。(YES/NO) Yes。医療行為です。 ある医療行為には「大きなデメリットがあり、かつ、メリットはほとんどない」ということが標準的知見として得られている状態において、当該の医療行為を行ったならば、その行為は医療過誤である。(YES/NO) ほぼYes。医療過誤です。例外については後述。 (無症状者に対する)甲状腺検査は「大きなデメリットがあり、かつ、メリットはほとんどない」ということは、標準的知見として得られている。(YES/NO) ほぼYes。より適切に言えば、標準的知見となりつつある、です。専門家と一般の臨床医の間でギャップが生じることはしばしばあります。詳しく

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    hisawooo
    hisawooo 2017/12/22
  • 二重盲検法でオーリングテストの効果を実証したと称する「文献」を読んでみた - NATROMのブログ

    オーリングテストはもはや由緒正しいニセ科学と言っていいだろう。指をアルファベットの"O"の字にして指が離れるのに抵抗する力から、薬を選んだり、病気を診断したりできると主張されている。詳細は■『謎解き超科学』のナカイサヤカさんの『「オーリングテスト」とはなにか?【筋肉の反応でなんでもわかる診断法】』の章か、拙著■『「ニセ医学」に騙されないために』の「オーリングテストは科学的? 」の章を参照していただきたい。 オーリングテストが機能することを証明するには二重盲検法による検証が必要である。たとえば、すでに対象となる患者の胃が悪いことを試験者が知っている場合、意図的にあるいは無意識に、胃を指したときに指が離れるようにしてしまうかもしれない。あるいは被験者が知らなくても患者の反応を読み取れば同じことが起こりうる。意図的/無意識に筋肉を動かすことによって、超能力のように未知の情報がわかるように見えてし

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    hisawooo
    hisawooo 2017/10/07
    これは正統派のニセ科学
  • 因果推論の考え方を学ぶ。『「原因と結果」の経済学』 - NATROMのブログ

    ■「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法 中室牧子 (著), 津川友介 (著) 相関関係があるからといって必ずしも因果関係があるとは限らない*1。テレビを長時間見ている子どもほど学力が低いとしても、テレビの視聴が低い学力の原因とは限らない。たとえば、テレビ視聴そのものは原因ではなく、長時間のテレビ視聴を許すような家庭環境が低い学力の真の原因なのかもしれない。 因果関係の有無を検証するのはしばしば困難である。テレビの視聴以外の、家庭環境を含め条件がすべて同一で、唯一の違いがテレビ視聴時間だけの子どもの学力を比較できればよいが、通常はそのような比較は難しい。十分な数の子どもたちをランダムに二群に分け、テレビの視聴時間を減らした介入群と視聴時間が変わらない対照群との間に学力に差が出るかどうかを比較するランダム化比較試験を行えばいいが、コストも時間もかかる。ランダム化比較試験がで

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    hisawooo
    hisawooo 2017/08/19
  • 検診で発見されたがんの予後が良くても、がん検診が有効だとは言えないのはなぜか? - NATROMのブログ

    「わかる」って、たーのしー!よね 私たちは、地球が球形をしていて太陽の周りを回っていることを幼いうちから教えられている。けれども、地球が丸くて動いているなんて、よくよく考えると直観に反している仮説である。普通に考えれば地面は平らで動いていない。動いているのは太陽のほうだろう。人類で最初に地球が丸いと理解することは、さぞエキサイティングであっただろう。 別に人類で最初でなくったって、直観に反することが事実だわかる過程は素晴らしい体験である。私は大学生のころ、イギリスの進化生物学者であるドーキンスが書いた『利己的な遺伝子』(当時は『生物=生存機械論』)というを読んで、動物の行動は「種の保存」のためのものであるという「常識」が間違っていることを思い知らされた*1。貴重な体験であるが、どういう感情なのか説明するのが難しい。ゲームをプレイしたことのない方にはまったく伝わらないたとえで申し訳ないが、

    検診で発見されたがんの予後が良くても、がん検診が有効だとは言えないのはなぜか? - NATROMのブログ
    hisawooo
    hisawooo 2017/03/08
    自分の納得のためなら死んでもいいという人ばかりではないですからね。検診がマスに対して行われることを考えるとなおさら
  • Cunliffeさんに質問です。論敵を「殺す」のは構わないのですか? - NATROMのブログ

    死村さんという方の『もしも「合理的」で「科学的」な優生思想が見いだされたら、菊池誠や佐々木俊尚や糸井重里のような思想の者は、「合理的で科学的だから」と人を殺すのをよしとする訳です』というツイートが注目されています(■はてなブックマーク - 死村さんのツイート)。 すでにブックマークコメントにありますが、合理性や科学性は倫理よりも下位にあたるものですから、死村さんのツイートは的外れです。たとえば菊池誠さんは血液型性格診断を批判していますが、その科学性とは別に倫理的な側面についても言及しています。仮に血液型性格診断が科学的に正しいとしても、企業が労働者を採用するにあたって血液型を利用するのは差別にあたる、というわけです。企業にとって科学的で合理的であってもです。 死村さんの前後のツイートも読んでみました。強いて擁護すれば、ニセ科学に批判的な論者の一部には、倫理よりも科学性や合理性を上位に置いて

    Cunliffeさんに質問です。論敵を「殺す」のは構わないのですか? - NATROMのブログ
    hisawooo
    hisawooo 2016/09/27
    というか、彼の人には長谷川某が「合理的」に見えるわけなの?
  • 若年性脳梗塞が増えているというのは本当か? - NATROMのブログ

    日刊ゲンダイDIGITALに若年性脳梗塞についての記事が載った。「若年性の患者数はこの10年で5割も増えている」のだそうだ。 ■患者数は10年で5割増 ゆとり世代で「突然死」急増のナゼ | 日刊ゲンダイDIGITAL 脳梗塞といえば中高年以上の病と思いがちだが、最近20、30代に増えているという。テレビ東京アナウンサーの大橋未歩(発症時34)など、30代前半の発症例も珍しくないが、ここ数年、ゆとり世代の脳梗塞患者が目立つというのだ。 「いわゆる『若年性脳梗塞』は医学的定義では50代未満です。ただ近年、ストレス要因を中心とした20代の発症例は増えています」(山野医療専門学校副校長で医学博士の中原英臣氏) 年間7万人が死亡する脳梗塞のうち、若年性は約1割。若年性の患者数はこの10年で5割も増えている。 臨床的な感覚では若年性脳梗塞が「10年で5割増加」しているようには思えないので調べてみようと

    若年性脳梗塞が増えているというのは本当か? - NATROMのブログ
    hisawooo
    hisawooo 2016/07/25
    変だと思っていたが一向にソースが見つからないので諦めてた。食生活もここ20年ほどは大きな変化がなくて、若者の食生活ガーと言えなくなってきてる(影響が出るのが遅れるとはいえ
  • 薬害オンブズパースン会議の「個々の症状ごとに比べても意味がない」という批判の解説 - NATROMのブログ

    名古屋市がHPVワクチン(いわゆる子宮頸がんワクチン)の接種者と非接種者を対象に行ったアンケート調査において、「社会的影響が大きく、市だけで結論は出せない」として最終報告書では評価を示さなかったことが報じられた。 ■子宮頸がんワクチン調査で名古屋市が結論撤回:朝日新聞デジタル 調査は、ひどく頭が痛い▽簡単な計算ができなくなった▽手や足に力が入らない、といった接種の副反応にみられる24の症状の有無などを尋ねるもの。その結果、接種者に「多い症状」はなかった。一方、接種者に「少ない症状」は、関節やからだが痛む▽杖や車いすが必要になった、など15症状あった。 これを受け、市は昨年12月、「接種者に有意に多い症状はなかった」との評価を発表したが、薬害監視の民間団体「薬害オンブズパースン会議」が「副反応の症状は複合的で、一人が複数の症状を持っている。個々の症状ごとに接種者と非接種者との有意差を比べても

    薬害オンブズパースン会議の「個々の症状ごとに比べても意味がない」という批判の解説 - NATROMのブログ
    hisawooo
    hisawooo 2016/06/28
    村中に乗っかってあのNGOを統計もわからないなどと馬鹿にする人が多いので辟易していた。もっとピント外れの質問をする人は学会でも居る。どんなつまらない疑義でも誠実に回答するのが科学。馬鹿にすることではない。