科学的認識とは何か、ということに関して、非常に良い文章。一昨年の10月26日のエントリ「国語の問題文のクリッピング - 我が九条」で取り上げているのだが、今日授業で扱ったので再録。 ユリ・ゲラー来日時に出演者の一人が発言する。 いままでの自然科学は、何でも疑うことを前提に議論を進めてきた。しかし、疑ってばかりいては、新しい発見は生まれない。自然科学の原点は、先入観をもたず、現前で起こったことを素直に事実として認めて、そこからスタートすることである。スプーンが曲がったのは疑いもない事実なのだから、それを前提として議論を始めようではないか。 これに対する東京工業大学の桶谷繁夫という金属学の専門家は真っ向から反対の意見を唱える。 指でこするだけでは鉄は曲がらない。タネはわからないが、奇術に決まっている。 それに対し著者の木村龍治氏は桶谷氏の議論に説得力を感じる。 自然科学は、宗教的な信念ではなく