ブックマーク / dlit.hatenadiary.com (13)

  • 山口仲美『日本語が消滅する』を読んで気になったところ(前半) - 誰がログ

    はじめに 全体の印象 言語と方言の関係、琉球諸語の取り扱い 問題の整理 琉球諸語および八丈語を「方言」として取り扱っていることとその根拠(1と2の問題) 方言に関する具体的な言及がほとんどない(3の問題) さらにそのほかの問題 おわりに 追記(2023/10/09):後半を書きました。 山口仲美『日語が消滅する』を読んで気になったところ(後半) - 誰がログ はじめに 結論を先に書いておくと、このを出発点にして日語の消滅をはじめとした危機言語の問題について論じることはおすすめしません。 日語が消滅する (幻冬舎新書 694) 作者:山口 仲美幻冬舎Amazon 危機言語の問題について感心がある方には、代わりにこの後言及する琉球諸語研究の専門家で(も)ある下地理則氏の下記の記事をおすすめしておきます。以前もwebでけっこう話題になったので読んだことがある人もいるのではないでしょうか。

    山口仲美『日本語が消滅する』を読んで気になったところ(前半) - 誰がログ
  • 言語の研究者はことばの規範とどう付き合う(べき)か,についてちょっとだけ - 誰がログ

    はじめに 下記の話題に関して,「言語の研究者は(軽々しく/何があっても)ことば遣いに関する規範に口出しするのは良くない」という反応を見かけたので,関連して今の自分の考えを少し書いておこうと思いました。 togetter.com 解説や問題の整理という類のものではなく,実際の研究者がどう考えているかということの1例だと思ってください。とりあえず以下ジェンダーに関わる話はぜんぜんしていません。というか書いた後に思ったのですがとてもごちゃごちゃしているので,もっと良い議論ができる人の叩き台になれば僥倖です(叩けるほどの強度もないかも)。 言語学と規範 言語学の入門では,どれくらい詳しくやるかは差があるでしょうが,必ずと言っていいほど「言語学は規範的ではなく記述的である」というような話が出てきます。重要なポイントの1つなので,内容をかなり絞り込んで作った下記の「言語学入門入門」でも取り上げています

    言語の研究者はことばの規範とどう付き合う(べき)か,についてちょっとだけ - 誰がログ
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2021/01/04
    たとえば、「母語」という表現を 使用すること自体が、性規範を 再生産しているといえる。なので、「母語」じゃなくて、「第一言語」という用語を 選択する言語研究者もいる。20年まえから一部では共有されていた。
  • 加計学園の入試問題と日本語学習者の会話能力(「差別」について追記あり) - 誰がログ

    事実がどうだったかについてはきちんと調査して公開してもらうしかないと思いますが,この問題に対する反応で気になるものがありましたので少し書いておきます。もっと情報が出たら,日教育や第2言語習得の専門家の方が解説してくれると良いのですが。 よく知らないという方は下記の記事で概略がつかめるでしょう。 www.asahi.com この記事に「過去2回の試験で合格した韓国人の学生が入学後に日語の会話に難があり、学生生活で苦労したため、昨秋の試験で初めて面接を導入したところ、7人全員の会話能力に問題があり、面接を0点とし、不合格になったと大学側は説明。」という記述があります。この受験生の中には筆記試験でかなり良い点を取った人もいたようです。 筆記と会話の違い この問題・報道への反応として,「語学では筆記試験がよくできても会話はできないことはある」というものを複数見かけました。 これは確かに一般的

    加計学園の入試問題と日本語学習者の会話能力(「差別」について追記あり) - 誰がログ
  • 「やさしい日本語」についてちょっとだけ - 誰がログ

    はじめに 下記の「やさしい日語」に関するまとめが話題になっていて,Twitterでも少し関連することを書いたのですが,やはりこちらでも少し何か書いておくことにします。 togetter.com 東日大震災の時にもそこそこ話題になったという印象があったのですが,それはやはり私の周囲に日語学・言語学や日教育(日語を第1言語としない人に日語を教えること)に携わっている人,なじみのある人が多いからかもしれません。この話題に限ったことではないと思うのですが,機会があるたびに宣伝し続けるのが良いのでしょう。というわけである程度知っている方はいろいろなところで何か書いてみると良いのではないでしょうか。 私個人としては,東日大震災の時に手話ニュースが叩かれたのを思い出しました。Twitterやはてブのコメントでも言及がありますが,こういう情報が助けになるのは「外国人」だけではないのです。

    「やさしい日本語」についてちょっとだけ - 誰がログ
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2019/10/15
    おすすめいただいたので、紹介しておきます。「ことばのバリアフリーと〈やさしい日本語〉」 http://hituzinosanpo.sakura.ne.jp/abe2019a.html
  • 地域とことば:福島の方言は東北方言か?に便乗(読書案内付き) - 誰がログ

    下記の記事を読んで、方言に関する箇所が気になったので少し調べたことを書いておこうと思います。結論みたいなものはあまりないです。 http://gudachan.hatenablog.com/entry/2015/01/02/185750 ちなみに毎度毎度の言い訳ですが、僕は方言研究は専門ではありません。 おそらく、元記事の感じではそこまで方言について強い主張をしたいわけではないと思うのですが、便乗して日語(の方言)研究の宣伝もしておきたいなと思って書いてみました。 気になったところ この記事は次のように方言の話から始まります。 福島県で広く話されている方言、いわゆる「福島弁」はアクセントが存在しないという特徴がある。「崩壊アクセント」というやつだ。のっぺりしている話し方なので、標準語に慣れた多くの東京の人は驚いてしまう。 実はこれは栃木・茨城、埼玉の北部(ちょうど首都圏外に出たあたりの一

    地域とことば:福島の方言は東北方言か?に便乗(読書案内付き) - 誰がログ
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    hituzinosanpo 2015/01/09
    白岩2014の引用箇所が しっくりきた。
  • 色覚障害対応の赤色天神チョークを使い始めてみました - 誰がログ

    感想とか 製造元の日白墨工業株式会社の紹介ページ:目にやさしい赤チョーク 同社の取り組みを紹介しているページ:http://goma.sakura.ne.jp/shikijaku/doc/kokuban.htm 僕が購入したのは以下のページの 日白墨工業株式会社:チョーク 「天神印チョーク(石膏カルシウム製:やわらかいチョーク)」の6色セットです。これで200円ちょっとですね。 色は一番上のページで紹介されている写真のように通常の赤色チョークより明るい感じ(どちらかというと朱色?)で、実際受講生に聞いてみたところ、遠くからでも問題なく見えるとの感想をもらいました。僕の担当の授業には色覚障害を持った受講生はいないようなので、その点に関する感想はまだもらえていません。 書く時の感触は柔らかいからか書きやすいのですけれど、堅い方のチョークと比べると黒板消しで消えにくい感じがします。これは赤だ

    色覚障害対応の赤色天神チョークを使い始めてみました - 誰がログ
  • ネット上でカテゴリや属性を使って自分を卑下することの危うさ - 思索の海

    ※追記 2011/08/26 タイトルを「ネット上で自分を卑下することの危うさ」から「ネット上でカテゴリや属性を使って自分を卑下することの危うさ」に変更しました。 ほぼ愚痴です。 以前もこんな記事を書いたりしましたが、ここで対象にするのは、「(自分は)文系なので科学的な議論は理解できないのですが…」とか、「(自分は)女なので理性的な議論は苦手なのですが…*1」みたいな自分の属するカテゴリを用いた卑下*2の仕方についてまわる危険性についてです*3。 発言する前に少しだけ想像力を働かせれば、このような発言の危険性に思い至れるのではないか、と常々思っているのですが… 自分を貶めると同時に多くの人を攻撃してしまう危険性 で、まあ結局のところ問題は、これまで色々な人が色々なところでさんざん忠告してきたとおり、「ネットでの発言は世界中に発信されてることを念頭に置いておかないと危険」というところに収束す

    ネット上でカテゴリや属性を使って自分を卑下することの危うさ - 思索の海
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2011/08/26
    ですね。
  • 翻訳とキャラクターと言葉と役割語 - 誰がログ

    以下のまとめを読んで。 「翻訳された女」は、なぜ、「~だわ、~のよ」語尾で喋っているのか。 - Togetter まとめた@nofrillsさんもはてブのコメントで指摘されていますが、タイトルに例示されている「女性ことば」は第一の論点では無いように感じました*1。僕の理解では、主な論点は次の二つ(誤読してたらすいません)。 他言語から日語への翻訳の過程において、日語の方の言葉遣いで過剰な/余計なキャラクター付け(を意図した表現)が追加されてしまうことがあること。 その言葉遣いが、実際にはあまり使用されていない場合や、実際には特定の属性/キャラクターと結びつくようなものではない場合があること。 一点目は言語研究から見てもとても面白いテーマだと思いますが、翻訳自体、専門分野ではないので言及は自重*2。二点目に関しては言語研究、日語研究に親しみのある方なら「役割語」というキーワードが思い浮

    翻訳とキャラクターと言葉と役割語 - 誰がログ
  • 「言葉の正しさ」みたいな(よくわからん)ものについてもちょっとだけ - 誰がログ

    今までもちょこちょこ似たようなことを書いてきたと思いますが。 先のエントリでa-geminiさんから下記のようなコメントをいただいて良い機会だと思いましたので少しだけ。僕の少しだけは大体長いのですが… >個人的には「(絶対的に)正しい言葉」みたいな捉え方は気持ち悪いわけですが 以前、ライターの高橋秀実が「言語学者は言葉の乱れを面白がっているばかりでケシカラン!正しい日語を示すのが仕事だろ!」みたいなことを雑誌に書いてました。漠然と同じように考えている人もいるじゃないでしょうか。変わった現象を見つけて学者がよろこぶのは当たり前だと思うのですが 昆虫学者が新種のチョウを見つけてよろこぶようなもので。 「よろしかったでしょうか」についてちょっとだけ(むしろ情報求む) - 思索の海コメント欄より(改行だけ調整しました) で、コメント欄に書いた返事の繰り返しになりますが、言語学者に「正しい言葉(日

    「言葉の正しさ」みたいな(よくわからん)ものについてもちょっとだけ - 誰がログ
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2009/11/04
    コメント欄に反応してコメントかいたのに、そのコメントが きえてた…。がーん。/あれ。きえてない。よかった。
  • 言語学の入門書その1:黒田龍之助『はじめての言語学』 - 誰がログ

    以前、Brittyさんにふっていただいた話題でしり込みしていたのですけれど↓ 初心者による初心者のための言語学 - 鰤端末鉄野菜 Brittys Wake ふと図書館で上のエントリで薦められていた黒田龍之助『はじめての言語学』を見つけたので借りてみました。 はじめての言語学 (講談社現代新書) 作者: 黒田龍之助出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/01/21メディア: 新書購入: 17人 クリック: 166回この商品を含むブログ (69件) を見るぱらぱらっと見てみたところ、これは”最初の”入門書*1としてはかなり良いのではないかと感じたので紹介しておこうと思います。僕の保証がどれほど皆さんを安心させられるかは非常に心許ないですが。 さて、ぶっちゃけホントにぱらぱらとめくってみただけなので内容については詳しく触れません。ところどころ「自分はそこまでは言い切れないなあ」と思うよ

    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2009/05/15
    この本、わたしも おすすめ。
  • 補足2(例の本編) - 誰がログ

    久々に人がたくさん来てるのでびくびくしていますが↓ 例の書評というか感想文) - 思索の海 はてブの反応でちょっと気になったのがあったので。 ※ブコメの真意というか当に言いたいこと、というのは字数制限もあって分からないので、コメントへの批判などではなくてあくまでもコメントをきっかけに僕が考えたこと、だととってもらえれば(言い訳)。 さて、気になったのはいくつか散見された 言語学じゃなくて文学だしなあ というような反応。 まず、これは僕の書き方が悪かったかもしれなくて。件のエントリで出した僕の議論はあくまで「論理の飛躍がある」ことを示すことだったのですが、言語学には全く関係の無い部分を取り上げた方が良かったのかもしれません。ちょうど良い機会なので言語学に対する誤情報の訂正も一緒にやってしまおう、と色気を出したので言語学の観点からの批判だ、と思われたかも。 まあこの部分に関しては確かに言

    補足2(例の本編) - 誰がログ
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2008/11/12
    ご紹介ありがとうございます。安田敏朗(やすだ・としあき)さんの本も おすすめです。
  • 言語学的自然主義の誤謬 - 誰がログ

    以下のブクマコメントでちょっと言い足りないと思ったのでちょっとだけ補足…って思ってたけど結局長くなったorz はてなブックマーク - 柳瀬尚紀を読んでからニヤニヤしている国語学者(とその追従者たち)を見るととてもげんなりさせられる - ハックルベリーに会いに行く 自然主義の誤謬はとりあえずwikipediaでも貼っておきますか。少し詳しい、っていうか専門的過ぎるかな。なじみの無い方ははてなのキーワードも見てみてください。 自然主義的誤謬 - Wikipedia 言葉(日語)に関する「正しい/正しくない/乱れなんてない/...」論争は自分の狭い観測範囲の中では(さえ?)よく見かけますが、とりあえず国語学/日語学/言語学の知見や研究成果を持ち出してきて、ある言語表現の「正しさ/美しさ」への理由付けや正当化をしようとするのは、言葉に関する自然主義の誤謬の一種なんじゃないかなあ、って前から思っ

    言語学的自然主義の誤謬 - 誰がログ
  • 「水からの伝言」に言語学の立場から反論する - 誰がログ

    追記(2020/12/28) 改訂版を書きました。解説・表現を見直し,少し読書案内を追加しました。 dlit.hatenadiary.com はじめに というわけで、宣言どおり「水からの伝言」に対する言語学的な視点からの反論を書いておくことにします。 これまでこのブログではこういう話題は全然取り上げてこなかったので突然に思われるかもしれません。web上でこの話題に出会ってからかなり多くの関連サイトをのぞいて勉強させていただきましたが、「言葉」の役割がかなり大きい問題であるにも関わらず、言語学的な問題に焦点を当てた反論というのは管見の限り見つかっていません(いや、色んなところでちょっとずつ触れられてはいて、それで議論はほとんど尽きてさえいるのですが…例えば”http://www.cm.kj.yamagata-u.ac.jp/blog/index.php?logid=3571”ではこのエントリ

    「水からの伝言」に言語学の立場から反論する - 誰がログ
    hituzinosanpo
    hituzinosanpo 2007/05/24
    これはいい記事ですね。 "形だけからは、意味は生まれないのです"
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