日本の国家機関が集中する、首都・東京。この地下がどうなっているのか、考えたことはあるだろうか。 2000年以降、東京の地下は目に見えて大きく変化してきた。00年には都営地下鉄大江戸線の全線開通、08年には、もっとも新しい路線・東京メトロ副都心線が開通した。それにともない、池袋駅や渋谷駅の地下再開発も、続々に進みつつある。 「東京の地下の謎に迫る時間は、もうあとわずかしか残されていないのかもしれない」 『帝都東京地下の謎 完全版』の中でそう語るのは、著者の秋庭俊氏。テレビ朝日報道局で社会部、外報部の記者を経て、02年に『帝都東京・隠された地下網の秘密』(同)を発表。以来、知られざる東京の地下網の存在を追い続け、本書では、70冊以上にのぼる膨大な資料を元に、関係者への取材を行い、独自の分析で迫っている。 東京の地下には、”危機管理”という名目で関係者が語りたがらない、歴史や謎がいくつも存在して