井上理 日経ビジネス記者 1999年慶応義塾大学総合政策学部卒業、日経BPに入社。以来、ネット革命などIT業界やゲーム業界の動向を中心に取材。日本経済新聞への出向を経て2014年4月より日経ビジネスの電機・ITグループ この著者の記事を見る
資金繰りに頭を悩ませているベンチャー企業経営者は多いかもしれない。世界のユーザー同士で母語を教え合うSNS「Lang-8」を運営するランゲート(京都市)の喜洋洋社長(25)もそんな1人だ。1カ月の売り上げは10万円ほどで、経費の9%しかまかなえていないため、ユーザーから寄付を募ったり、黒字化達成に必要な有料会員数をサイトの目立つ位置に掲載するなど、あの手この手で収益拡大に努めている。 この状況だけを聞くと、Lang-8がよっぽど人気のないサイトなのかと思われそうだが、そんなことはない。世界190カ国以上の会員に利用され、会員数は9万人。日本発のサイトにもかかわらず、約7割のユーザーが日本語以外の母語を使用している。ネットメディア関係者などが革新的なネットサービスを表彰する「WISH2009」で2位に選ばれるなど、注目を集めている。 大赤字でも、喜社長は前向きだ。「世界中でスタンダードに使わ
Googleの最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏は、5年後のインターネットの姿について、今とは大きく違ったものになると想像している。Schmidt氏によれば、インターネットは中国語とソーシャルメディアのコンテンツであふれかえり、超高速ブロードバンドによって情報がリアルタイムで配信されるようになるという。同氏は先々週開催のGartner Symposium/ITxpo Orlando 2009において、数多くの最高情報責任者(CIO)やIT担当ディレクターを前にしたインタビューの中で、ソーシャルコンテンツをリアルタイムでランク付けする方法を見つけることは、「この時代における大きな課題だ」と述べている。 Gartnerは世界で最も大きく、最も権威のある調査会社だ。45分間のインタビューにおけるSchmidt氏の発言の多くは、明らかにビジネスリーダーに向けられたものだったが
Twitterの共同創業者、Biz Stone氏が、10月15日夜に開催されるTwitterのユーザーイベント「Tweetup Tokyo 09 Fall」に出席するために初めて来日した。その場でTwitter日本版の新たな携帯電話サイトを発表する。 2008年のTweetup Tokyoにはもう1人の創業者、Evan Williams氏が参加した。それから1年でTwitterは日本で大きく成長した。芸能人や作家、政治家など利用者の裾野が広がり、企業のマーケティング活動などにも使われ始めた。 Biz Stone氏に、Twitterが支持される理由、今後予定している企業向け展開について聞いた。 --2009年はTwitterが非常に注目された1年として記憶されそうです。いまの好調具合をどうみていますか。 2009年がTwitterの年かどうかはわかりませんが、2008年後半からどういうわけか
シンプルで分かりやすい生命保険を保険料を半分にして若い人たちに!との思いで創業されたライフネット生命保険。創業者である出口社長がはてなユーザーと本気で語るPR企画の第二回は、以前からとても気になっていたという「Chikirinの日記」で人気のブロガー、ちきりんさんとの対談です。ライフネット生命保険が誕生した時の業界の背景、ライフネットの使命、また新しい世の中を作る「しくみ」の話、歴史の話など、保険に留まらない盛りだくさんで濃いトピックが次々と飛び出しました。 ライフネット生命保険 ライフネット生命は、生活者にとって便利でわかりやすく、かつ高品質な生命保険サービスを提供するという理念のもと、インターネットを主要チャネルとして、新しい生命保険を販売しています。 → 会社概要、お申し込みはこちら 8月に公開した、ライフネット生命の出口社長×はてなユーザー対談の第一弾では、子どもが生まれてはじめて
App Storeで配信を開始してから4日で10万ダウンロードに到達した。想定していたよりも圧倒的に大きな反響だった。その結果として“事件”ともいうべき,さまざまな現象が起きている。 秋葉原では「姉ヶ崎...」(ゲームに登場するキャラクタの名前)というエアタグが大量に作られて,ネット上で話題となっている(関連記事)。秋葉原の店頭には,このエアタグを真似たリアル・エアタグが並んでいる。まさか現実世界にまで,エアタグが波及するとは思わなかった。 「姉ヶ崎...」のユーザーは,自分にノルマを課して千葉県の姉ヶ崎市などでも同様のエアタグを張り付けているようだ。ここまで来ると,メディア・アートととらえてもいい。大量に書き込む行為はテロリズムなどと言われるが,フィルタをかければ実用上はそれほど害はないはずだ。 ほかにも“事件”はある。セカイカメラが公開されたその日に,あるユーザーのお子さんが生まれた。
「dwango.jp」のロゴが現れる着メロのテレビCMに見覚えがある人は多いかもしれない。「ジリリリリン、電話だよ」。GACKTさんがこうつぶやくCMも話題になった。 「ドワンゴはニコニコ動画だけではない」と、川上量生(のぶお)会長は言う。川上会長が1997年に創業した同社は、ゲームの受託開発を手掛け、着メロや着ボイスでヒットを飛ばし、ニコ動という新しいフィールドに踏み出した。 その歴史を草創期から振り返る書籍「ニコニコ動画が未来をつくる ドワンゴ物語」(佐々木俊尚著、アスキー・メディアワークス)が、10月10日に発売される。「ニコ動がヒットしている今なら興味を持ってもらえるのでは」と、“社史”出版を決めた。 「ニコ動でたまたま当てた会社」ではない 「ドワンゴは、ニコ動でたまたま当てた会社だと思っている人も多いだろう。“ぽっ”と出てきたよく分からない会社と思われているかもしれない」――そう
渋谷で働く社長は「執念の人」だった――サイバーエージェント藤田さん:有馬あきこのはじめましてインターネット(1/2 ページ) 藤田さんとの馴れ初めといえば、当時、サイバークリックでのお仕事でしょうか。「姉さん事件です」というネタを仕込んだバナーを作って、それが藤田さんにすごく喜ばれたことを、忘れられないわたしなのでした――。 「Googleになれたかも」 有馬 うれしかったですよ。「姉さん事件です」というネタを仕込んだバナーを作って、それが藤田さんにすごく喜んでいただけたこと。 藤田 当時はクリエイティブのほとんどを、お願いしていたようなものですよね……。サイバーエージェントのコーポレートサイトも。あるあるネットもそうでしたよね。そういえば以前、堀江さんが“あるあるネット”(注:1999年に、サイバーエージェントとオン・ザ・エッヂが共同で運営していた検索エンジン)を一生懸命やらなかったこと
ひとりで作るネットサービス第38回は、ケータイから手書き風の文字を入れた写真を簡単に投稿できる「携帯百景」を作ったkimzoさん(32)に話を聞いた。「インターネットを本格的に使い始めたのは2年ほど前」という彼が作ったサービスの狙いはどこにあったのだろうか。 「なんというか、すごく面倒くさくて……」。kimzoさんがはてなダイアリーで日記をつけ始めたのが1年ちょっと前。写真も入れたかったのでデジカメで撮ってはFlickrにアップロードし、その写真をダイアリーに投稿していた。それがとにかく面倒だったとkimzoさんは言う。 ちょうどそう思っていたとき、携帯を機種変更した。選んだのはNTTドコモのサイバーショット携帯「SO905iCS」。500万画素で、3センチまで近づいて撮れるマクロ機能も搭載していた。「これだ、と思いました。もうデジカメを持ち歩かなくていいや、と気付いたのです」。携帯で写真
ひとりで作るネットサービス第43回は、拡張現実(AR)を用いた画期的なWebサービスを展開するクリエイティブ集団「AR三兄弟」をとりあげる。大企業系列会社の一部門でありながら、新しい技術やサービスに果敢に挑戦する彼らの狙いはどこにあるのだろうか。AR三兄弟「長男」の川田十夢さん(32)にお話を伺った。 「省略しまくり」のセカイカメラに衝撃 「好きな言葉に『斬新とは省略することである』というものがあります。そういう意味ではセカイカメラは衝撃的に斬新でした。なにせ“省略しまくって”いますから」 2008年に発表されたセカイカメラはARを活用した画期的なサービスである。iPhoneのカメラを通して周りを見ると、ほかの誰かがそこに残した情報が浮かび上がってくるというものだ。日本のベンチャー企業でありながら、米国のTechCrunchにも取り上げられて注目を集めた。 「今までワンクリックをいかに省略
ひとりで作るネットサービス第39回は、携帯電話からTwitterを更新できる定番サービス「MovaTwitter」を作った藤川真一さん(35)に話を聞いた。2万人を超えるユーザーを抱えるサービス運営の裏側とは? 「Twitterはケータイ向き」からMovaTwitterをスタート 「Twitterっていいな、と思ったのです。必ずしも返事しなくてもいいし、いつ落ちてもいいですから」。以前はチャットにはまっていたという藤川さんは、Twitterを初めて触った時の感想をそう話す。チャットは楽しいが、何となく時間を拘束されるイメージもあったため、仕事を始めてから何となく遠ざかっていた。その点、Twitterは気楽だ。何か言いたい時に発言すればいいし、気の向いた時に友達のつぶやきを読むだけでいい。 2006年当時、じわじわとTwitterが流行しはじめたころ、日本語で使用するにはまだバグがあった。「
ある休日。妻と2人で外食しながら、携帯電話をチェックする。携帯電話向けTwitterクライアント「movatwitter」(モバツイッター、モバツイ)にアクセスし、Twitterをチェック。うまくつながらないと「帰りたくなる」。 Twitterにはまっていて、どうしてもチェックしたいから、家に帰ってPCで確認したい――というわけではない。「監視の意味で、いつもチェックしている」。藤川真一さんはモバツイの開発者。15万ユーザーが使うサービスを、1人で開発・運用する。 普段はpaperboy&co.で、ショッピングモール「カラメル」を統括するプロデューサー。モバツイは趣味だが、「家にいる時間はほぼずべてモバツイに費やす」ほどの力の入れようだ。長期休暇は「機能追加週間」。お盆休みもゴールデンウィークも、機能追加や負荷対策に明け暮れた。休む時間もないが、楽しいという。 2007年4月に開発してから
1976年生まれ。2000年中央大学卒業。 米国留学中の1999年にインターネットの匿名掲示板 「2ちゃんねる」を開設。現在、東京プラス株式会社代表取締役、有限会社未来検索ブラジル取締役、 株式会社ニワンゴ取締役・2ちゃんねる元管理人。 普段どうやって情報収集をしていて、どんな内容が多いですか? 新聞は全く見なくて、テレビも雑誌もほとんど見ないっすね。普段は、ネットですかね。テレビは、「ディスカバリーチャンネル」か、地震があったときぐらい。雑誌は、連載をしている「SPA!」が送られてくるので読むぐらいですかね。「ネットランナー」という雑誌に連載しているはずなんですけど、僕見たことないんですよ(笑)。 ネットは、定期的に見ているのは、「ニュー速」(注:2ちゃんねるの「ニュース速報」板)と「はてなブックマーク」。ニュース系のサイト以外で、いつも見ている特定のサイトはないですね。このゲームや
岩田 今日はどうもありがとうございます。 今回は、株式会社ポケモンの石原さんと 株式会社ゲームフリークの森本さんにお越しいただいています。 どうぞよろしくお願いいたします。 石原・ 森本 よろしくお願いします。 岩田 社内の人から話を訊くということから この「社長が訊く」シリーズははじまりましたが、 今日は社内の人ではありませんけど、 石原さんとは、長年“共に戦った仲間”でもあります(笑)。 わたし自身、『ポケットモンスター』という商品には とても深い縁がありまして、 石原さんとは長年、いっしょにモノをつくってきたからです。 もちろん今日は、新しい『ポケモン』のことも訊きますけど、 昔の『ポケモン』の話からはじめたほうが、 今回の『ハートゴールド・ソウルシルバー』に つながるように思っています。 石原 はい。 岩田 まず、石原さんにお訊きしますが、 石原さんは
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