瀬戸内海に浮かぶ小さな島、豊島にある「豊島美術館」。建築家の西沢立衛さんが設計したこの美術館には、内部に大きな生命体のような空間があります。その空間自体が、現代美術家・内藤礼さんの作品《母型》です。その内部では、床のいたるところから水が湧き上がっていて、水滴が水たまりとなって集まっては消えていく......。アートファンなら誰でも一度は訪れてみたいこの美術館についてのドキュメンタリー映画が、この秋公開されます。主人公が撮影できない!? ピンチを乗り越え完成 9月19日から公開される『あえかなる部屋 内藤礼と、光たち』は、内藤礼さんの作品《母型》と、《母型》に導かれるように集まった5人の女性たちを追ったドキュメンタリー映画。 主役は、これまで自らを撮影することをほとんど拒み、メディアに登場する機会も少ない内藤礼さんです。1997年にべネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館代表として世界的に注