政府の「幼保一体化」についての議論が迷走している。いったんは幼稚園と保育所を「こども園」に統合する方向で調整が行なわれたが、幼保双方からの不満が出て、16日に出た「幼保一体化ワーキングチーム」の案では、 こども園への完全移行 法律上こども園に完全移行するが、「幼稚園」「保育所」の名称も使用可 こども園とともに幼稚園、保育所も存続 こども園の類型として幼稚園、保育所、幼保一体型施設が存続 保育所はこども園に完全移行し、幼稚園のみ現行制度のまま存続 という5案が併記され、方向性はまったく見えない。 この話は15年近くもめ続けているが、厚生労働省と文部科学省の縄張り争いに巻き込まれて泥沼化してきた。それは子供を預かる保育所と子どもを育てる幼稚園という、まったく性格の違う業界を「足して二で割る」ことを試みてきたからだ。 これは1980年代に行なわれた金融制度調査会と似ている。当時、金融工学の急速な