日本将棋連盟の米長会長が亡くなられたのは各報道等で周知のことである。 米長さんは長い間、週刊現代に1ページもののコラムを連載していた。 最近、装いも新たにして「棋士の愛した駒たち」と題したシリーズが始まったばかりである。 書き溜めした分(1月5日・12日合併号で大山名人が登場は確認)があるにしても、おそらく連載は打ち切りになるのではなかろうか。 その週刊誌の12月22日・29日合併号に登場したのが永瀬拓矢五段である。 好きな駒が「歩」とある。その実戦例として紹介されたのが今年タイトルを獲得した第2期加古川清流戦3番勝負の第1局である。 上図は後手の伊藤真吾四段が63銀と指した局面。先手の永瀬拓矢五段が指した手は後手飛車の退路に蓋をする85歩である。 受け将棋がうまいイメージもある彼の棋風からして、遠くは伊藤看寿が大橋宗与との1局で指した「魚釣りの底歩」あたりの手を期待したが、よき実戦棋譜が