その年に発売された最も優れた1台に贈られる賞「日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」。今年はマツダの4代目「ロードスター」がホンダ「S660」との熾烈なスポーツカー対決を制し、栄冠を手にした。マツダの受賞は昨年の「デミオ」に続いて、2年連続で、ロードスターはちょうど10年前の2005年に3代目がCOTYに輝いている。この10年間の受賞車の顔ぶれを眺めていると、自動車産業と日本経済の浮き沈みが見えてくる。 ■美しい日本のスポーツカー 12月7日、東京・お台場で開かれた授賞式。マツダの藤原清志常務執行役員は、マツダだけでなく他社もスポーツカーを相次いで投入していることに触れ、受賞あいさつをこう締めくくった。 「バブル崩壊後、失われた20年の中で日本の自動車業界は良いことも悪いことも学んだと思います。そしてこういうスポーツカーをつくれる時代がきました。日本という地形、日本の自動車産業を生