※ネタバレ全開です。 今更ながら「チェンソーマン」を読みました。作者の「ヤバい女が好き!」という性癖が駄々洩れで、個人的に大変面白く読ませて頂きました。 本作のヒロインと言えば、やはりマキマさんでしょう。支配の悪魔であり、デンジにとってのファム・ファタル(運命の女)であり、しかし疑似的な母親であり、故に近親相姦的な欲望の対象でもある。 マキマさんが「母親」をモチーフに創られたキャラクターであることは個人的には自明なように思えます。条件付きの愛情、ある種の包容力、苛烈な女性性、支配的パーソナリティ、超越性。マキマさんの有するこれらの属性は、ある種の人生経験を積んだ人間からはやはり「母親」としか読み取れないところがあります。 本作は「母」たるマキマさんの「支配」に、主人公であり「子」であるデンジくんがファルス(男根)的記号であるチェンソーを用いて抗うというところにひとりのラインがあるのですが、