緊急事態宣言が出されて人通りがなくなった東京・歌舞伎町(2020年4月26日、写真:片野田斉/アフロ) (池田 信夫:経済学者、アゴラ研究所代表取締役所長) 新型コロナ対策の中心だった専門家会議が、廃止されることになった。これは尾身茂副座長も事前に知らされていなかったらしいので、実質的な取りつぶしである。政府の新型コロナ対策が迷走した責任を専門家に押しつけるのはフェアではないが、専門家会議に問題が多かったことも事実である。 政府の諮問機関ではないのに、専門家会議は政府として決めたかのように記者会見して「8割削減」や「新しい生活様式」などの提言を発表した。おまけに西浦博氏(北海道大学教授)が「東京で8万人感染する」とか「全国で42万人死ぬ」という予測を発表して国民を恐怖に陥れたが、空振りに終わった。 迷走した専門家会議 新型コロナ対策本部ができたのは1月30日。ほぼ同時に新型コロナが指定感染
