※Twitterでの指摘を受けて、本稿の文末に追記を加えました。 博徒の子分は理非を辨へずに、ひたすらに親方の指揮に服從する。 (柳田國男「親方子方」『定本 柳田國男集 第十五巻』筑摩書房、1963年、390頁) 2022年12月に放送が終了したTVアニメ『アキバ冥途戦争』は、加藤智大による無差別殺傷事件(2008年6月8日)を生むような秋葉原の都市構造の変容を前提とした、マッチポンプ的な作品だった。 本作は「萌えと暴力について」というキャッチコピーを引っ提げて、秋葉原でメイドとして働く女たちがヤクザ映画さながらの殺し合いを演じる様子を余すところなく描き出す。1999年の秋葉原を舞台に繰り広げられるのは、メイドカフェグループ間の血で血を洗う抗争とメイドカフェグループ内部の内紛だ。本作において、秋葉原はメイドカフェグループの双璧をなすケダモノランドグループとメイドリアングループによって牛耳ら
![TVアニメ『アキバ冥途戦争』におけるアキバブームの刻印:メイドに関する偽史的想像力をどのように考えるべきか|髙橋優](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/306e4c6a42c75c72bb49f26d7e9f46c3020b309c/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fassets.st-note.com%2Fproduction%2Fuploads%2Fimages%2F101839337%2Frectangle_large_type_2_5c2cf3475a72812a50a3bfca1b010e87.jpeg%3Ffit%3Dbounds%26quality%3D85%26width%3D1280)