少し前にホアキン・フェニックス主演の映画「ジョーカー」を観た。ホアキンがリバー・フェニックスの弟だということは見た後で知った。へえ。 ジョーカーといえば「ダークナイト」でのヒース・レジャーが演じたジョーカーが有名だ。ヒース版ジョーカーは演技もすごかったがそもそもキャラクターとして『狂気と悪意』の塊であるという意味合いが強かった。息をするように人を殺す、自分の苦痛すら笑う、自身について悲劇的な過去をいくつも語るがどれもすぐに嘘だと言う。普通に生まれた人間のなかに『狂気と悪意』が育ってジョーカーになったというよりも、すでに『狂気と悪意』がパンッパンにつまった存在としてある日何も無いところからポンと出現したようなキャラクターがヒース版ジョーカーだった。 一方でホアキン版ジョーカーはそうではない。貧しく不幸な、ありふれた存在である青年アーサーが徐々にジョーカーへと変貌していく一連が描かれる。ジョー