NGO難民を助ける会理事長 長 有紀枝 1. 導入 9月初旬、トルコの海岸にシリア難民の3歳の男の子の遺体が打ち上げられました。この悲惨な映像と、折からの欧州に逃れる大量のシリア難民の流入とがあいまって、改めて、欧米を中心とする国際社会で、そして日本でシリア難民問題が大きな課題となっています。 1)国内避難民・包囲された人々 現在、シリアの人口2200万人の内、人口の1%にも及ぶ22万とも24万人ともいわれる方々が命を落とし、実に国民の2人に1人が難民、あるいは国内避難民として、家や故郷を追われる事態となりました。 泥にまみれた子どもたちや、テントの中に、着の身着のままの転がる難民の映像に、シリアは貧しい紛争の国、という印象を持たれる方も多いかもしれません。しかし、内戦前のシリアは、決して貧しい国ではありませんでした。大学進学率は31%、世界最古のモスクをはじめ世界遺産があり、多くの観光客
![視点・論点 「シリア難民問題と日本」 | 視点・論点 | NHK 解説委員室 | 解説アーカイブス](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6fbe5af04e8514ad61a081613810bd7cc312e62d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.nhk.or.jp%2Fkaisetsu%2Fimages%2Fog_thumb.jpg)