ブックマーク / book.asahi.com (29)

  • コミック・ブレーク (広告特集) : 〈マンガ今昔物語〉第29回 斜陽の暴走族マンガは熱いぜ! - 伊藤和弘 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    honzuki_news
    honzuki_news 2012/08/23
    素晴らしい記事。
  • 「群像としての丹下研究室」書評 「構想力」支えた最強チーム活写|好書好日

    群像としての丹下研究室 戦後日建築・都市史のメインストリーム 著者:豊川 斎赫 出版社:オーム社 ジャンル:技術・工学・農学 群像としての丹下研究室 戦後日建築・都市史のメインストリーム [著]豊川斎赫 建築家を語るは通常、造形デザイン話に社会文明観や哲学談議を接ぎ木する程度だ。書はそれを遥(はる)かに超える。書のテーマたる丹下健三が、通常を遥かに超える建築家だったせいもある。彼は個別建築にとどまらず、都市、地域、国土設計にまで大きな足跡を残した。だがなぜそれが可能だったのか? 通常はこれを「壮大な構想力」という一言ですませてしまう。書の手柄は、その「構想力」の中身を詳細に示したことだ。丹下の構想力の背後には、地域経済の数理統計分析や産業予測があり、それを造形に変換する方法論の開発があったのだ。 それを支えたのは、東大の丹下研究室に集った人々だった。書はこのチームに着目するこ

    「群像としての丹下研究室」書評 「構想力」支えた最強チーム活写|好書好日
  • 宮崎学『「自己啓発病」社会』書評 切り離せぬ「自助」と「相互扶助」|好書好日

    「自己啓発病」社会 「スキルアップ」という病に冒される日人 (祥伝社黄金文庫) 著者:宮崎 学 出版社:祥伝社 ジャンル:雑学・その他 「自己啓発病」社会 [著]宮崎学 1990年代以後「自己啓発」のためのがブームとなってきた。このようなは昔からあったように思えるが、著者によると、80年代に流行したのは「自己開発」のためのである。どちらも自己改造を説くものではあるが、「自己開発」書が、集団的拡大のための自己改造を説くのに対して、「自己啓発」書は、自己中心的でポジティブ思考を唱え、資格取得、スキル・アップなどを勧める。著者は、「自己開発」はバブル時代のイデオロギーであり、「自己啓発」はバブル崩壊後、特に小泉純一郎に代表される新自由主義とつながるイデオロギーであるという。 バブルの頃まで日の企業は終身雇用制をもつ一種の共同体であり、企業間にも談合制などの相互扶助的な共同体があった。こ

    宮崎学『「自己啓発病」社会』書評 切り離せぬ「自助」と「相互扶助」|好書好日
  • 「バナナの世界史」書評 ヒトがつくりかえてきた生命|好書好日

    バナナの世界史 歴史を変えた果物の数奇な運命 (ヒストリカル・スタディーズ) 著者:ダン・コッペル 出版社:太田出版 ジャンル:技術・工学・農学 バナナの世界史 歴史を変えた果物の数奇な運命 [著]ダン・コッペル バナナは、あのあまりにもあからさまなカタチにもかかわらず、かわいそうに、一度もセックスをしたことがありません。なぜなら、バナナはタネなしだからです。 バナナの原種は、硬くごろごろしたタネがたくさん入ったとてもべにくい果物でした。ところが自然のいたずらで、あるとき、タネがないのに果実だけが太る突然変異種が出現しました。 とはいえ、タネができない植物をいったいどうやって増やすことができるのか。バナナは地下茎を伸ばすので、これを株分けすると簡単に大規模栽培ができるのです。 なかでもグロスミッチェルは優れた品種でした。大きくて皮が厚く、舌触りはなめらか、味は濃厚でフルーティー。これに目

    「バナナの世界史」書評 ヒトがつくりかえてきた生命|好書好日
  • 「60年代のリアル」書評 連帯呼ぶ「肉体感覚」の手ごたえ|好書好日

    60年代のリアル [著]佐藤信 著者は1988年生まれの大学院生。60年安保闘争や全共闘運動の話を聞いても「全く実感はわいてこない」。 著者は50年前の若者を見つめながら「同年代の者として、共感できるのか、できないのか」を問う。資料をかき分け、当時の若者を追体験した結果、彼/彼女らが求めていたものは、現代の若者とも共通する「肉体感覚」だったのではないかという結論に至る。 当時の学生のデモ隊は、スクラムを組み、シュプレヒコールをあげながらジグザグに走った。そこに加わった個人は、次第に隊列全体に溶け込んでいく。どこまでが自分で、どこからが他者なのかは不透明。心に宿った疎外感から解放され、実存のリアルな手ごたえが得られる。 ここに「肉体感覚」を通じた「連帯」への希求が生まれる。受験勉強で他人と競い合ってきたバラバラの個が、運動によって手を取り合い、一体感を獲得する。他者とつながり、感覚に訴えるこ

    「60年代のリアル」書評 連帯呼ぶ「肉体感覚」の手ごたえ|好書好日
  • 隔離されてきた精神病者|好書好日

    の精神医療史―明治から昭和初期まで [著]金川英雄 書は、精神医学史に関する類書の中でも飛び抜けてユニークだ。扱う時代は明治から昭和初期とごく短く、官報などからの引用が多い文章はいささか読みづらい。しかし斬新すぎるその切り口で、最後まで一気に読ませる。 特異な点は二つある。第一に、精神医療を隔離・監禁の歴史としてたどっている点。それゆえ感染症の隔離政策に関する記述も多い。第二に、書の約半分が朝鮮半島における西洋医学導入の歴史に割かれている点。とりわけ韓国の精神医療史のこれほど詳しい紹介は、私が知る限り書が初めてだ。 著者はまず、わが国の精神医学の礎を築いた東京帝国大学神経病学講座の教授・呉秀三と樫田五郎の著書『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其(その)統計的観察』(1918年)を詳しく紹介する。 このに記された、日の精神障害者が「此(この)病ヲ受ケタルノ不幸ノ外ニ、此邦ニ生マレタル

    隔離されてきた精神病者|好書好日
  • 30年以上撮り続けている海景|好書好日

    アートの起源 [著]杉博司 ニューヨークに暮らす現代美術作家である著者の名を冠し、香川県丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で2010年11月から翌年の同月までほぼ1年開催された展覧会の。収録写真は展示品であり、言葉はそれらを語るが、「図録でもなく、評論集でもない、詩集でもなく、独白でもない、なにか」だという。「光学硝子(ガラス)五輪塔」の章では、釈尊の骨をまつる五重塔=舎利塔は宇宙をも表現し、信仰心を純粋に表そうとする「宗教的野心が萌(も)えいでた」形と解き明かす。杉の作った塔は宇宙を構成する五大のうち、水を示す球体が核をなす。球には30年以上撮り続けている海景が封じられている。帰依する対象を失った「私」の意識の源。 ◇ 新潮社・2730円

    30年以上撮り続けている海景|好書好日
  • 「図説 尻叩きの文化史」書評 愛と人間味にじみ出る奇書|好書好日

    図説 尻叩きの文化史 [著]ジャン・フェクサス 奇書である。先日、野村萬斎氏が演出した『サド侯爵夫人』(三島由紀夫原作)を観劇し、その余韻のなかで書を手に取った。タイトルに「図説」と銘打たれているとおり、古今東西の尻叩きに関する図版が豊富で、それらを概観するだけでも、こののぶっ飛び具合が伝わってくる。 著者は元弁護士で、「エル」や「フィガロ」といった女性誌のイラストレーターの仕事をこなし、かつては警察官でもあったという変わり種である。彼の著作の一つ『おなら大全』は、故・米原万里さんが以前書評を書いていたので覚えている。熱心な性の探求者で、しかもマニアックな性格を持ち合わせていることは、多くの図版の提供者に自身の名を挙げていることからもうかがえる。努めて上品かつ生真面目に分析しつつも、書き手の嗜好(しこう)や気持ちがページの随所に滲(にじ)み出しているのが面白い。そうした人間味が垣間見ら

    「図説 尻叩きの文化史」書評 愛と人間味にじみ出る奇書|好書好日
  • 「安部公房の都市」書評 廃墟を取り込み、変転する都市像|好書好日

    安部公房の都市 [著]苅部直 『安部公房の都市』。サブタイトルはない。帯には「人気政治学者が読み解く」とある。少しでも安部作品の評論を読んだことがある人なら、手に取るのをためらうかもしれない。安部作品における都市の問題は、すでにいくつもの論があるからだ。いまさら、何か新しい発見があるのか? 著者が安部作品と出会ったのは、小学生の頃、『人間そっくり』か『第四間氷期』のどちらかをSFとして読んだのが最初だという。これは私も同じ体験を有している。安部が満州からの引き揚げ者であることも、共産党員だったことも知らず、無邪気に安部と邂逅(かいこう)してしまうのは、60年代生まれの特徴であろう。高度経済成長のただ中、変貌(へんぼう)した後の都市しか知らない世代が安部作品をどう読むのか、という点がまず関心をひく。 書では、安部の中期に位置づけられる作品が中心に論じられる。たとえば、都市の無名性に埋没し自

    「安部公房の都市」書評 廃墟を取り込み、変転する都市像|好書好日