男性向け雑誌に「死ぬまでSEX」といった見出しが躍りますが、中高年の性の現実はどうなっているのでしょう。実像に迫る新刊「セックスレス時代の中高年『性』白書」をまとめた日本性科学会セクシュアリティ研究会の2人に聞きました。 研究会のメンバーは産婦人科医や臨床心理士。診察や相談を通じ、中高年期にはさまざまな悩みが伴うと痛感する。よりよいパートナーシップを考えようと2000年(有配偶者)、03年(単身者)にアンケートを実施。さらに12年には有配偶者・単身者の計1162人(40~79歳)に性について聞き、調査結果をまとめたのがこの本だ。 代表の荒木乳根子(ちねこ)さん(74)は田園調布学園大学の名誉教授、臨床心理士の金子和子さん(71)は日本赤十字社医療センターでセックス・セラピストとして30年以上働いた。 ■対等な関係へ過渡期 ――セックスレス(性交が月1回未満)の人が1回目の調査から著しく増え