先進国では経済的な豊かさを表す国内総生産(GDP)が成長したにも関わらず、人々の幸福感が高まっていないと言われている。そこで、幸福感はどのような要因で決まるか研究が行われている。 世界的な研究では、若いうちは年齢が上がるにつれ幸福感が低下し、40~50歳程度で最も幸福感が低くなり、高齢になると再び上昇すると言われている。一方、日本では高齢者の幸福感はそれほど高まらないという研究もある。 それでは、日本の高齢者の幸福感は何に左右されているのだろうか。経済学ではお金を使うこと(消費)により、幸福感が得られる(効用が高まる)としているので、旅行や趣味などを含めて消費水準が高い人ほど幸福なのだろうか。これに対して、幸せはお金では買えないとも言われるが、本当にそうなのだろうか。そこで、筆者らの研究グループでは、高齢者の幸福感の源泉について研究を行った。 この研究は途中段階ではあるが、現状で得られてい