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ブックマーク / www.ringolab.com (21)

  • Passion For The Future: 空中スキップ ジュディ・バドニッツ

    空中スキップ スポンサード リンク ・空中スキップ 文句なしで5つ星の短編集。漠然と面白い読み物を探しているなら、これがおすすめ。 自分を犬だと思い込んでキグルミを来た男に餌をやる家族の話だとか、ある日世界中で子供が生まれなくなってしまった騒動の話だとか、母親のために心臓の提供を迫られる息子の話だとか、普通の世界と少しずれた設定で始まる話が多い。その最初のなにかへんだなという亀裂がしだいに大きく広がって世界を覆いひっくり返す。 収録作品は341ページのに23編だから、一話あたり15ページに満たないショートショート。奇想天外の世界観に幻惑される読書体験が23回。その短い枠の中で、どの作品にも読者の期待を裏切らない裏切り方が待っている。シュールでブラックな作風だが、同時にどことなくコミカルなので、気分が暗くならずに、次々に読み進めやすいのもいい。 23話中8割くらいの確率で個人的には大ヒット

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    hsksyusk 2008/02/18
    「文句なしで5つ星の短編集」。23編。
  • Passion For The Future: 神聖喜劇 大西巨人, のぞゑのぶひさ, 岩田和博

    神聖喜劇 スポンサード リンク ・神聖喜劇 (第1巻) 超弩級の絶対的な傑作。大西巨人の小説「神聖喜劇」の完全漫画化。こんな物凄い作品があるとこれまで知らなかったのが不覚であった。全6巻を夏休みに読破。読者を選ぶ作品だが、以下の概要で興味のある人にはおすすめである。 「一九四二年一月、対馬要塞の重砲兵聯隊に補充兵役入隊兵百余名が到着した。陸軍二等兵・東堂太郎もその中の一人。「世界は真剣に生きるに値しない」と思い定める虚無主義者である。厳寒の屯営内で、内務班長・大前田軍曹らによる過酷な“新兵教育”が始まる。そして、超人的な記憶力を駆使した東堂二等兵の壮大な闘いも開始された」(原作の紹介より) 東堂太郎は一度読んだら忘れない驚異的な記憶力の持ち主であった。軍隊の規則書を丸暗記している彼は、不条理な軍隊生活や上官たちの言動に疑問を持つ。そしてその矛盾を言葉で訴え始めることから生じる個人と組織の闘

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    hsksyusk 2007/09/18
    すごく字の多いマンガ。小説のように読むと吉。読む人を選ぶ傑作。序盤は「責任阻却の論理」がテーマになる。
  • Passion For The Future: 美しき日本の残像

    美しき日の残像 スポンサード リンク ・美しき日の残像 「四国の平家の落人の里に民家を買って城と称し、日頃は京都・亀岡の天満宮の庵に暮す。書画骨董、歌舞伎、古都を愛する一風かわったアメリカ人の日美見聞録。 --」。第7回新潮学芸賞受賞作。 日通の外人の代表みたいな著者が語った日文化論なので、日に優しいと同時に厳しい意見が両方書かれている。世阿弥と利休のを読んだばかりだったので、次の日の思想についての考察に特に感心した。 「日中国とは大きく違います。中国の場合、孔子、孟子をはじめ、哲学者と文人が高貴な思想を巧みに文章にして後世に残しました。一方、日文化歴史の中に哲学者と、はっきりした「思想」を探しても、驚くぐらい見当たらないのです。極端に言えば、日は思想のない国です。  (中略)  日では文化のエッセンスは言葉としてに書かれてはいませんが、目に見えないところに日

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    hsksyusk 2007/08/31
    「犬と鬼」のアレックス・カーの著書。奈良京都の名所巡りもあり。次の旅行前には読む。
  • Passion For The Future: スナップ写真のルールとマナー

    スナップ写真のルールとマナー スポンサード リンク ・スナップ写真のルールとマナー スナップ写真を撮影するときの疑問に対して、日写真家協会の著作権委員と協会顧問弁護士が実例を挙げながら、答えて指導する。こんなとき写真を撮っていいのだろうか、撮影した写真を公開していいのだろうか?、という疑問にマナーとルールそして法律の観点から、明解に答えてくれる。 たとえば、 「歩行者天国で大道芸をしている人を撮りました。まわりには、たくさんの人が写っています。アップではないのですが、みんなの顔ははっきりと分かります。肖像権があるといわれたらと思うと、発表することに躊躇してしまいます。また、大道芸をしている人にも断っていないので、心配なのですが。」 という疑問に対して、自由に出入りできる路上で、多くの人に無料で見せている大道芸は、撮影は自由。多くの場合、写ってしまった見物客も肖像権は主張できない、という

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    hsksyusk 2007/08/23
    プロじゃない人がスナップ写真を撮る際、どこまで撮って、公開してOKかという指針になる本。
  • Passion For The Future: 赤朽葉家の伝説 桜庭一樹

    赤朽葉家の伝説 スポンサード リンク ・赤朽葉家の伝説 これは傑作。素晴らしい。桜庭一樹という作家をベタ褒めしたい。 「“辺境の人”に置き忘れられた幼子。この子は村の若夫婦に引き取られ、長じて製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれ輿入れし、赤朽葉家の“千里眼奥様”と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。―千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもないわたし。高度経済成長、バブル景気を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる三代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の姿を、比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。」 1953年から現在まで、それぞれの時代を生きた3人の女性の物語が、3部構成の回想形式で語られる。各世代の生きざまは、日の時代状況を色濃く映し出す。 第一部 1953年~1975年 赤朽葉万葉 第二部 1979年~1998年 赤朽葉毛毬

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    hsksyusk 2007/07/24
    三代にわたる女性の話を三部構成で描く。時代が下った所から見る前の世代の話、というのが面白そう。
  • Passion For The Future : 宇宙のランデヴー アーサー・C. クラーク

    宇宙のランデヴー スポンサード リンク ・宇宙のランデヴー この作品の発表は1973年で、私が和訳を文庫で読んだのはもう20年前になる。当時は読み終わったあとしばらく絶句してしまうような衝撃的な体験だったことを覚えている。そしてこのがきっかけでSF小説を読むようになった。私にとって特別なである。 この正月にはじめて読み返してみた。20年はこどもが生まれて成人する時間だから、結末を含めて物語の筋は忘れていた。だから、今回もまた感動してしまった。次は60歳になったら読み返そうと思う。 2130年、太陽系に直径40キロの円筒状の人工物が接近する。近くを航行する軍の宇宙船にその正体を調べる指令がくだされる。この人工物体は宇宙を100万年間もの長旅をした末に、太陽系を通過するのである。古代の神の名をとってそれはラーマと名づけられた。ラーマから人類には何のメッセージも送られてはこない。 ノートン中

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    hsksyusk 2007/05/17
    2001年宇宙の旅の人のすごいSF
  • Passion For The Future: 紗央里ちゃんの家

    紗央里ちゃんの家 スポンサード リンク ・紗央里ちゃんの家 第13回ホラー小説大賞 長編賞受賞作 「叔母からの突然の電話で、祖母が風邪をこじらせて死んだと知らされた。小学五年生の僕と父親を家に招き入れた叔母の腕もエプロンも真っ赤に染まり、変な臭いが充満していて、叔母夫婦に対する疑念は高まるけれど、急にいなくなったという従姉の紗央里ちゃんのことも、何を訊いてもはぐらかされるばかり。洗面所の床から、ひからびた指の欠片を見つけた僕は、こっそり捜索をはじめるが…。第13回日ホラー小説大賞長編賞受賞作。 」 お化けや猟奇殺人は怖いが、それよりも、確固としたものだと信じていた現実が壊れていくことが一番怖い。そういう壊れ感が絶妙な、完成度の高いホラー小説。分類としては「独白するユニバーサルメルカトル」「姉飼」と同じ方向性といえそう。猟奇趣味だが、それだけには終わらない。 映像が全盛の時代にあって難しい

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    hsksyusk 2007/04/24
    第13回ホラー小説大賞 長編賞受賞作。少し知ってるけど全部は知らないおじさんの家という舞台装置。
  • Passion For The Future: 「悪童日記」「ふたりの証拠」「第三の嘘」

    「悪童日記」「ふたりの証拠」「第三の嘘」 スポンサード リンク もはや古典扱いの作品ですが、全部読みました。 「悪童日記」で右からガツーンと殴られ、「ふたりの証拠」でさらに左からグワンときて眩暈がして、「第三の嘘」のアッパーカットでノックダウンされる。2作目、3作目と連携プレーが効く。ガンダムにたとえるとドムのジェットストリームアタックを喰らったようなインパクトである。これは必ず3作続けて読むべきである。 ・悪童日記 「戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃんのもとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。人間の醜さや哀しさ、世の不条理―非情な現実を目にするたびに、ぼくらはそれを克明に日記にしるす。戦争が暗い影を落とすなか、ぼくらはしたたかに生き抜いていく。人間の真実をえぐる圧倒的筆力で読書界に感動の嵐を巻き起こした、ハンガリー生まれの女性亡命作家の衝

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    hsksyusk 2007/02/19
    ネタバレを恐れるような名作。三部作。
  • Passion For The Future: 知識人とは何か

    知識人とは何か スポンサード リンク ・知識人とは何か 大江健三郎が「「伝える言葉」プラス」で絶賛していたのでパレスチナ系アメリカ人の文学研究者、文学批評家エドワード・サイードを読んでみた。サイードは学者としての仕事とともに、社会状況に対しても積極的な発言をしてきた人物であった。このは時代を代表する研究者が一般にわかりやすくその価値を説明することで知られるBBC放送のリース講演「知識人の表象」(1993年)での講演内容を書籍化したもの。 ・エドワード・サイード - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%83%89 著者は「知識人とは亡命者にして周辺的存在であり、またアマチュアであり

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    hsksyusk 2007/01/24
    サイードの求める知識人、その役割。
  • Passion For The Future: イニシエーション・ラブ

    イニシエーション・ラブ スポンサード リンク ・イニシエーション・ラブ 「 大学四年の僕(たっくん)が彼女(マユ)に出会ったのは代打出場の合コンの席。やがてふたりはつき合うようになり、夏休み、クリスマス、学生時代最後の年をともに過ごした。マユのために東京の大企業を蹴って地元静岡の会社に就職したたっくん。ところがいきなり東京勤務を命じられてしまう。週末だけの長距離恋愛になってしまい、いつしかふたりに隙間が生じていって…。 」 なんというか、書評が書きたくないが、オススメしたい特殊なに当たってしまった。 「評判通りの仰天作。必ず二回読みたくなる小説など、そうそうあるものじゃない。」(帯より)というのは、私にとっては当であった。 結局、このを2度読み返した。部分的には3度も4度も読んだ。 ある意味、大変よくできた、面白い作品である。 発表時はだいぶ話題になったらしい。 ただし、読み方によっ

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    hsksyusk 2006/11/14
    男女の普通の恋愛話かと思いきや何度も読み返したくなるらしい。
  • Passion For The Future: 風に舞いあがるビニールシート

    風に舞いあがるビニールシート スポンサード リンク ・風に舞いあがるビニールシート 「 突然の手紙に驚いたけど嬉しかった 何より君が僕を恨んでいなかったということが これからここで過ごす僕の毎日の大切な よりどころになります ありがとう ありがとう 」風に立つライオン さだまさし作 さだまさしの「風に立つライオン」は、アフリカの難民のために使命感に燃えて働く男性医師の生き様を歌った作品。かつての恋人から送られた、他の男との結婚を告げる手紙を読みながらも、自分が選んだ道への強い思いを確認する内容である。 「風に舞いあがるビニールシート」は、国連の現地採用で東京で働く里佳と、夫であり上司でもあるエドの、厳しくも爽やかな生き方を描いた直木賞作品である。二つの作品は風という言葉だけなく、主題もどこか似ている。 お金よりも大事なもの、恋愛よりも大切なもの、家庭よりも大切なもの、をみつけてしまった人た

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    hsksyusk 2006/11/14
    東京で働く日本人国連職員を描いた作品。
  • Passion For The Future: 告白 町田康

    告白 スポンサード リンク ・告白 あまりに面白すぎて危険なため、盆暮れ正月連休中に読むことをおすすめします。 明治時代に起きた、実際の大量殺人事件「河内十人斬り」。幼子まで含めて10人を惨殺する残虐事件でありながら、熊太郎・弥五郎の復讐劇は、盆踊り「河内音頭」のテーマとして歌い継がれてきた。 この小説「告白」は、ひとづきあいが苦手で、性根が駄目人間の城戸熊太郎が、なぜ村人を恨み大殺戮に至ったのかを、生い立ちから綴った独白である。 「 安政四年、河内国石川郡赤阪村字水分の百姓城戸平次の長男として出生した熊太郎は気弱で鈍くさい子供であったが長ずるにつれて手のつけられない乱暴者となり、明治二十年、三十歳を過ぎる頃には、飲酒、賭博、婦女に身を持ち崩す、完全な無頼者と成り果てていた。 父母の寵愛を一身に享けて育ちながらなんでそんなことになってしまったのか。 あかんではないか。 」 こんな出だしで始

  • Passion For The Future: パイの物語 ヤン・マーテル

    パイの物語 スポンサード リンク ・パイの物語 2002年度ブッカー賞受賞作。 「1977年7月2日。インドのマドラスからカナダのモントリオールへと出航した日の貨物船ツシマ丸は太平洋上で嵐に巻き込まれ、あえなく沈没した。たった一艘しかない救命ボートに乗り助かったのは、動物たちをつれカナダへ移住する途中だったインドの動物園経営者の息子パイ・パテル16歳。ほかには後足を骨折したシマウマ、オラウータン、ハイエナ、そしてこの世で最も美しく危険な獣ベンガルトラのリチャード・パーカーが一緒だった。広大な海洋にぽつりと浮かぶ命の舟。残されたのはわずかな非常と水。こうして1人と4頭の凄絶なサバイバル漂流が始まった…。生き残るのは誰か?そして待つ衝撃のラストシーン!!文学史上類を見ない出色の冒険小説。」 まさに世界文学と言えそうな傑作だった。 私達はなんらかの神や、なんらかの物語を信じる。少年は漂流する

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    hsksyusk 2006/09/21
    漂流する虎と少年の物語。映画化予定。
  • Passion For The Future: 人類が知っていることすべての短い歴史

    « 第6回 テレビとネットの近未来カンファレンス 「映像デバイスの未来、ブラウザメディアの未来」 | Main | タッチ » 書評:脳・こころ |書評: 企画・発想| 書評文化・文明|書評:経済・経営 |書評:子 供・教育|書 評:小説・戯曲|書評:ネット活用 |書評仕事・管理|書 評:メディア論|書評:その他|書評:思想・哲学 |書評 :文章・表現|書評:認知・心理 |書評:神 話・宗教|書 評:科学・技術書評:社会・世間 |書評教養 ・雑学 2006年度 年間オススメ書籍ランキング ノンフィクション部門 2006年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション編 2005年度 書籍売り上げラン キング ベスト20 2005年度 年間オススメ書籍 ランキング ベスト20冊 2004年度 人気記事ベスト10 アクセス数が多かった記事とは? 2004年度 人気書評ベスト10 アクセ

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    hsksyusk 2006/08/23
    科学の面白い教科書。数百年分の科学の要約。
  • Passion For The Future: 滅びゆく国家 日本はどこへ向かうのか

    滅びゆく国家 日はどこへ向かうのか スポンサード リンク ・滅びゆく国家 日はどこへ向かうのか 立花隆の日経BPサイトの大人気の連載を書籍化した一冊。 ・立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」 http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/tachibana/media/ この連載は毎回かなりの長文なので紙の方が読みやすくなった。 小泉改革、天皇制、新憲法、中国問題、防衛問題、ライブドア事件、耐震構造偽装事件など、時事問題に対して果敢にリアルタイムに論評を加えていく。各テーマについて調べる時間は少なかったはずである。 総選挙前の自民大敗の予想は見事にはずれたし、IT業界についてはよくご存知でないのかもと感じる論評もあるのだけれど「立花隆だったらどう考えるか」がこのの読みどころなのだと思う。 不完全な情報の断片から、想像力を発揮して、物事の

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    hsksyusk 2006/05/11
    立花隆の連載をまとめたもの。時節を逃すと買わなくていいかという気になる。
  • Passion For The Future: 「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス

    「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス スポンサード リンク ・「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス 社会学のフィールドワーク論。 「 聞き取るという営みは、単に相手から必要とする情報を効率よく収集する、という発想では、とてもできない。相手を情報を得るためだけの源であるかのように見ていると、それが伝わった瞬間、おそらく聞き取りは硬直し、相手との<いま、ここ>での出会いは失われていくだろう。 」 観測することが対象に影響を与えてしまう相互性という点では、量子物理学の観測とほとんど同じである。自然科学の客観的な観察が成り立つのは、実は実験室でできるごく限られた世界に過ぎない。「語りのちから」によって、聞き取る側の意見や価値観も変動していく。 「 現代の社会学には、私たちの暮らしの大半をおおっている「あたりまえ」の世界を解きほぐして、そのなかにどのような問題があるのかを明らかにして

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    hsksyusk 2006/04/28
    社会学のフィールドワーク論。部外者が何かを聞くためのハウツーでもある。見えない当たり前の指摘。
  • Passion For The Future: 2005年度 年間オススメ書籍ランキング ベスト20冊

    2005年度 年間オススメ書籍ランキング ベスト20冊 スポンサード リンク 今年はこの企画、ずいぶん遅くなってしまいました。 昨年末に下記のランキングを公開しましたが、 ・参考:2005年度 書籍売り上げランキング ベスト20 http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004116.html このあとに続けてオススメリストの公開をする予定でいたのですが、なかなか決めることができないでいました。自分の中での順位をつけるというのは難しいものです。 2005年1月1日~2005年12月31日までの期間にこのブログで書評した(約200冊)の中から、オススメ書籍ベスト20冊を紹介します。昨年と同様ヘビー級とライト級という2系統のベスト10です。 この分類に厳密な定義はないのですが、ハードカバー中心で深く考えたいと、新書・文庫中心で軽めのテーマの

  • Passion For The Future: 戦争における「人殺し」の心理学

    戦争における「人殺し」の心理学 スポンサード リンク ・戦争における「人殺し」の心理学 こんなテーマだが、読む価値がある素晴らしいである。 著者のデーヴ・グロスマンの経歴。 「 米国陸軍に23年間奉職。陸軍中佐。レンジャー部隊・落下傘部隊資格取得。ウエスト・ポイント陸軍士官学校心理学・軍事社会学教授、アーカンソー州立大学軍事学教授を歴任。98年に退役後、Killology Research Groupを主宰、研究執辞活動に入る。『戦争における「人殺し」の心理学』で、ピューリツァー賞候補にノミネート。 」 このは米軍学校で教科書として使われている。 人は戦争で敵を前にすると、銃を撃てないし、弾は当たらないという事実にまず驚く。 多くの戦争で銃を使う兵士たちのうち発砲したのは15%~20%であった。8割の兵士は発砲しないで戦闘を終える。理論的には命中率50%の状況で発砲しても、一人を倒すの

  • Passion For The Future: はじめての“超ひも理論”―宇宙・力・時間の謎を解く

    はじめての“超ひも理論”―宇宙・力・時間の謎を解く スポンサード リンク ・はじめての“超ひも理論”―宇宙・力・時間の謎を解く 高名な物理学の権威が書いた超ひも理論の入門書。 超ひも理論とは「ものの最小にして究極の構成単位はひも状の物質である」と考える最先端の物理理論。この超ひもは、かつては最小単位とされた原子やクォークよりも小さく、それ以上は何者にも分割できない最小の物質であるとされる。 超ひもには両端の開いた、うなぎのような形のひもと、閉じた輪ゴムのような形のひもの2種類があって、どちらも常に振動して動いており、静止することはない。これがクォークやレプトンという粒子の正体である。この超ひもにエネルギーを与えると振動モードが変化する。この振動の違いにより超ひもは異なる粒子のように見えるように振舞う。 超ひもは10次元に存在する。10次元のうち6次元は極小の大きさに”折りたたまれ”て、4次

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    hsksyusk 2006/03/22
    理解するのは厳しいがその雰囲気に浸るのが面白い。
  • Passion For The Future: お金に「正しさ」はあるのか

    お金に「正しさ」はあるのか スポンサード リンク ・お金に「正しさ」はあるのか 貨幣に媒介されてあらゆるものが流通してしまう現代。芸術、学術、性愛、そして人間の生命でさえも値段が算出されて売り買いの対象になってしまう。この社会では「市場で取引の対象になり得ること」と「社会的に価値が認められていること」は密接に結びついている。売れないものは価値がないし、売れるものを作れない人間は半人前という扱いになる。 ビジネス社会では、市場で売れるものは良いものであり、儲かることは正しいことだと私たちはしばしば錯覚してしまう。この論理を敷衍すると市場において流通することが、社会的正義であることにもなる。戦争を推進する正義もしばしば、経済的下部構造の得失原理に突き動かされる。 このでは、貨幣の強い影響力についてマルクスの資論の一節が引用されている。 「 物はそれ自身としては人間に対して外的なものである。

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    hsksyusk 2006/02/16
    貨幣について。