2014年06月05日00:52 カテゴリテクニカル 天皇制の経済学 日本の国家から企業に至るまで、優秀な部下と無能な上司が遍在する原因を経済学で考えてみよう。契約理論を知っている人ならすぐ思いつくのは、Aghion-Tiroleの有名な論文だろう。これはGrossman-Hartのモデルに「情報」の次元を加え、次の図のように形式的な権威と実質的な権威の2次元で効率的な組織形態を考えるものだ。この形式的な権威は法的な所有権で、実質的な権威は情報で決まる。 モデルは単純で、結論も直感的だ:トップがすべての権力と情報をコントロールする垂直統合も、すべて分散する完全分社化も一般には最適にならない。形式的には同一の企業であっても情報を現場に分散するか、その逆が望ましい。 しかし具体的にどうやってこういう組織を実現するのかは、むずかしい問題である。垂直統合と分社化は簡単だが、事業部制のような組織は、