父の転院日。がんの治療が終わり、リハビリ専門の病院に移った。 病院というのは、時間通りに着いても早く着いても待たされるものなんだね と母と話す。めずらしく母が苛立っていた。父を乗せるタクシーの予約時間も迫り、母と二手に分かれて私は入院費等の支払いと飲み物を購入を済ませる。戻ると母は病室で荷物をまとめていた。父はぼーっと座っている。 タクシーの運転手が到着し、父を乗せてもらい車で後を追う。 転院先の病院で母が受付をしている間に父と話す。タクシーの揺れがひどくて酔い止めを飲みたいほどだった。目が全然見えなくなって辛い、もう仕事ができない。と言う。 どれに対しても励ますようなことを言ったと思う。リハビリ頑張れば歩けるようになって、車の助手席に乗れるよ。目ももしかしたら良くなるかもしれないから病院に聞いてみるね。 受付が終わり担当の看護師さんが来ると、唐突にここで父とお別れだと告げられた。突然のこ