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  • 『闇金ウシジマくん』フリーエージェントくん編について、堀江貴文が聞く!真鍋昌平-堀江貴文対談 Vol.1 | マンガ新聞

    ※この記事は2014年8月11日にマンガHONZ(運営:株式会社マンガ新聞)にて掲載した記事の転載になります。 レビュアー:東海林 真之 “闇金融”の日常と債務者たちのリアルな人間関係を描く『闇金ウシジマくん』。ドラマ化・映画化もされた同作品の今、これから、作られ方などについて、堀江貴文(以下、堀江)が切り込みます。 作者であるマンガ家真鍋昌平(以下、真鍋)は、どのような取材を行い、あの生々しい人間描写を行っているのか。内容はもちろんのこと、堀江が真鍋をインタビューしていたはずが、途中から真鍋による堀江のインタビューになっていく、一連の流れにもご注目ください。 取材した「フリーエージェントくん」はどんな人だったのか 堀江 ところで、ウシジマくん(※)は、これからどうなっていくんですか? もう今の話は終わるんでしょうか。 ※ 『闇金ウシジマくん』: 「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)に不

    『闇金ウシジマくん』フリーエージェントくん編について、堀江貴文が聞く!真鍋昌平-堀江貴文対談 Vol.1 | マンガ新聞
  • 『テクニウム』 - 利己的なテクノロジー - HONZ

    もしも地団駄というものが踏めるものであるのなら、この一冊を読みながら踏んでみたいと思う。 原題は『What Technology Wants』=テクノロジーの望むもの。テクノロジーの歩みを『種の起源』のように捉え直すという束ね方に独創性があり、これまでに見聞きしてきた様々な知識が一の線でつながるようなダイナミズムに満ち溢れている内容だ。おかげで、を呼ぶような深みにはまってしまい、関連書籍から逃れられなくなってしまったほか、一体、これまで自分はその手のの何を読んでいたのだろうかとショックを受け、何もかもを一から学び直したい気持ちになった。 一口にテクノロジーと言っても、書で取り扱う対象は非常に幅広い。Facebook、Googleといった昨今のネット上のものから、電信・電話、言語や法律、石器、火の使用といった太古のものまで。日頃、その存在を意識しないほど浸透しきったものであればあ

    『テクニウム』 - 利己的なテクノロジー - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    『腸よ鼻よ』11指腸 2018年09月29日 澄み渡る青い空と透き通るような海、白い砂浜のある南の島――沖縄。 この島に生まれ、蝶よ花よと育てられた1人の少女がいた。 彼女の名は島袋全優。 漫画家を志し、いずれは大都会東京での タワーマ...

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  • 『キルギスの誘拐結婚』 - ある日突然、花嫁に - HONZ

    中央アジアのキルギスという国は、北はカザフスタン、東は新疆ウイグル自治区、南はタジキスタン、西はウズベキスタンに囲まれた場所に位置しており、国土の面積は日の約半分という小さな国である。 山や湖に囲まれたこの美しい国には、今なお続く信じ難い現実がある。それは仲間を連れた若い男が、嫌がる女性を自宅に連れていき、一族総出で説得し、無理やり結婚させるというもの。キルギス語で「アラ・カチュー(奪って去る)」と呼ばれる「誘拐結婚」である。 その是非以前に衝撃を受けるのは、「慣習」というものが持つ引力の強さであるだろう。各地における村社会の集合的意識は、底なし沼のような側面を持つ。キルギス人の人口の約7割を占めるクルグズ人、その女性の約3割は、誘拐により結婚していると推定されるのだ。 書は気鋭のフォトジャーナリスト・林典子が、5ヶ月間にわたりキルギスに滞在、約25組に及ぶ女性たちの取材記録を収めた写

    『キルギスの誘拐結婚』 - ある日突然、花嫁に - HONZ
  • 完全食品ソイレントが突きつけるもの - HONZ

    『ニューヨーカー』の2014年5月12日号に、「ソイレント」という液状品に関する記事が掲載されました。軽~く興味を引かれて読み始めたところ、ちょっと意外なぐらいに、われわれの「」について考えさせる内容になっていたので、ご紹介してみます。 液状のべ物というのは、昨今、それほど珍しいわけではありません。減量したい人のダイエット品にも、ドロドロした飲むタイプのものがありますし、筋肉増強したい人のためにも、タンパク質メインの飲み物はあります。しかしソイレントがそれらと異なる点のひとつは、完全品を謳っている点です。これだけを摂取していれば、ほかには何もべなくてもよいというのです。 ソイレントを考案したのは、ロブ・ラインハートという青年で、品関係というよりむしろ、ITとかSNS系の起業をやりそうな感じに見えます。実際、ラインハートは、ジョージア工科大学卒業後、友人二人とともにIT関係のス

    完全食品ソイレントが突きつけるもの - HONZ
  • 挑め!世紀の難問『ドーナツを穴だけ残して食べる方法』 - HONZ

    学問においていちばん大事なのは、問題をどう解くかではない。どのような問題を設定するかである【アルキメデス】。 アルキメデスが言ったというのはウソだけど、どういう問いかけをするかが重要というのはホントである。このが問いかけるのは、ドーナツを穴だけ残してべることができるか、という哲学的命題だ。この、まったくどうでもいい問題を聞いておもしろがれるかどうか、で、人類を二分することができる。 この人類にとっての超難問に対して、大阪大学の教員たちが堂々と名乗りをあげた。13名それぞれが専門を武器に立ち向かう真の学際的アプローチだ。なかには、その論考のどこがこの問題に関係しとんねん、と言いたくなるのもないわけではないが、そういった牽強付会というのも学者につきものの性癖なので、がまんしてあげましょう。 そこは気にせず、いくつかのすぐれた論考を紹介しよう。まずは数学者。数学者の思考はやはり違う。 “そも

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  • 『画文集 炭鉱に生きる 地の底の人生記録』 - HONZ

    先ごろ、岩手県平泉が世界文化遺産、小笠原諸島が世界自然遺産に認定され、地元は大変な喜びようであったことは記憶に新しい。さらに「世界記憶遺産」に山作兵衛の炭鉱画が選ばれ、昨日、認定書が田川市に届いたというニュースが入った。 実はユネスコの世界遺産のなかにこのようなジャンルがあることを初めて知った。聞けば「アンネの日記」や「ベートーベンの第9草稿」、「フランス人権宣言」などが登録されているという。その中に幼い頃から炭鉱で働き、60歳を過ぎてから初めて絵筆を握った人間の絵が登録されたのだ。 『画文集 炭鉱に生きる 地の底の人生記録』は1967年、山作兵衛75歳のときに出版されたものだ。今回の世界遺産登録を記念して、巻末に金子光晴、石牟礼道子、菊畑茂久馬、南伸坊の書評を付けて新装版として発売された。 書は「ヤマの生活」「ヤマの米騒動」「ヤマの労働」の3部に分かれている。 明治25年(1892

    『画文集 炭鉱に生きる 地の底の人生記録』 - HONZ
  • 『シグナル&ノイズ』 ビッグデータじゃ未来はわからない - HONZ

    「理論の終焉:データの洪水が科学的手法を時代遅れにする」 2008年にワイアード誌編集長(当時)のクリス・アンダーソンが、ビッグデータ時代の到来を謳った記事のタイトルである。彼が予見したように、この5年で我々を取り巻くデータは爆発的に増加し、ビッグデータをマーケティングなどに利用した成功例も聞かれ始めた。 当に、大きなデータと強力なコンピュータさえあれば、理論は必要なくなるのだろうか。データの相関を適切に解析しさえすれば、ヨハネス・ケプラーのように惑星を観察して運動法則を理論化しなくとも、惑星の動きを、未来を正確に予測できるようになるというのだろうか。 書の著者ネイト・シルバーは、理論が不要になることはないと、アンダーソンの主張に反論する。大量のデータを巧みな統計手法で操り、2008年の米大統領選の結果を50州中49州という高確率で的中(2012年は50州中50州で正解!)させたシルバ

    『シグナル&ノイズ』 ビッグデータじゃ未来はわからない - HONZ
  • 『シークレット・レース ツール・ド・フランスの知られざる内幕』 暴かれた“沈黙の掟” - HONZ

    『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』というノンフィクションを、この著者でツール・ド・フランスを7連覇した世界王者、ランス・アームストロングを知っているだろうか。 日人の多くはツール・ド・フランスをはじめとする自転車ロードレースになじみがないが、ここ数年、日人選手の新城幸也の活躍などで、注目する人が増えてきているように思う。ツール・ド・フランスは今年、記念すべき第100回大会である。フランスのみならず、自転車競技を愛する者にとっては特別な大会であるのだ。6月29日にスタートし7月21日まで、全21ステージを男たちが駆け抜ける。このすべての戦いはJsportで生放送するそうだ。 [youtube]http://www.youtube.com/watch?v=ku_t6qpVoHU[/youtube] ヨーロッパ勢が圧倒的に強かった1990年代、アメリカ人として互角に戦った初めての選手、それ

    『シークレット・レース ツール・ド・フランスの知られざる内幕』 暴かれた“沈黙の掟” - HONZ
  • 『レイヤー化する世界』 - 光の帯になっていく個人 - HONZ

    佐々木俊尚さんの著書には、いつも打ち出されるキーワードに注目している。漠然と無意識に感じていたような空気感が上手く言語化されており、僕にとっては自分と時代との距離を測るモノサシのような存在だ。 ノマド、キューレション、当事者。そして今回はレイヤー。ノマドの時には、そのキーワードをずいぶん遠い世界のことのように受け取っていたのだが、キュレーションの時には「きっとこの先はこうなる」という確信を持つことができ、今回のレイヤーという言葉は、まさにリアルタイムな概念として受け取った。 世の中は、大きな流れとして垂直統合から水平分散へ。これをレイヤーという概念を用いて紐解いていくわけだが、ITの世界に閉じた話ではなく、世界システムという大きな構えから論考しているのが書の特徴である。このような立ち位置をとることによって、IT以前の世界、さらにもっと前の近代や中世の時代へと地続きに流れを追っていけるのだ

    『レイヤー化する世界』 - 光の帯になっていく個人 - HONZ
  • その話は別の機会に 『知性の限界 不可測性・不確実性・不可知性』 - HONZ

    採点★★★★☆ じっくり考えることが好きな人にはおすすめ 「理性の限界」の続編。前著と変わらぬ形式で、とっつきにくい科学・哲学について、さくさくと議論が進んでいく。知的興奮を味わいたい人は是非。 書は著者が様々な立場の人間(生理学者、会社員、文化相対主義者など)になりきり、それぞれの立場から様々な命題について議論を進めて行く。議論の中で最も効果的に使われている言葉は、司会者の「その話は、また別の機会にお願いします」であろう。このたった一言で脱線しそうな議論を修正してしまう。まさにスーパーファシリテーターだ。このツッコミともボケとも取れる言葉で、何度も”にやり”とさせられた。 第一章「言語の限界」で取り上げられている『ソーカル事件』(ソーカル事件のWiki)については全くしらなかったが、以前お話を伺った佐山展生さんのお話を思い出した。 「話が分かり難いのは、話す人が質を理解していないから

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  • 『漂白される社会』 - 色物、色事、色眼鏡 - HONZ

    「何か」がおかしいのは分かっている。でも、その「何か」がよく分からないからもどかしい。売春島、偽装結婚ホームレスギャル、シェアハウスに貧困ビジネス。自由で平和な現代日の周縁に位置する「あってはならぬもの」たち。それらは今、かつて周縁が保持していた猥雑さを「漂白」され、その色を失いつつあるのだという。 著者は、『「フクシマ」論』でおなじみの社会学者・開沼博。私たちがふだん見て見ぬふりをしている闇の中で目を凝らし、現代社会の実像を描き出す。書のベースとなったのは、ダイヤモンドオンラインでの連載でも好評を博した「闇の中の社会学」シリーズである。 明治以前から売春を生業とする島 その孤島では、島の宿に宿泊するか、あるいは置屋に直接赴くかすれば「女の子」を紹介される。「ショート」の場合は一時間で2万円、「ロング」がいわゆる”お泊り”を指し4万円。女の子の割合は日人と外国人が半々か、やや外国人

    『漂白される社会』 - 色物、色事、色眼鏡 - HONZ
  • 『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』 いつでもどこでも、カラダマネジメント! - HONZ

    健康のために気をつけたい生活。毎日手作りでバランスのよい事がべられれば理想的だが、忙しさのあまりついついコンビニが続いてしまう、もしくは、バラエティに富んだ外の誘惑には勝てないという方も多いだろう。 しかし、もう罪悪感を感じることはない。コンビニや外だって、ちょっとしたコツやノウハウがあればカラダを健康に保つことはできる。書は栄養士による「一日三が外でも、自分のカラダをコントロールし、健康に保つための方法」の指南書だ。 まず手始めに「事の基」を押さえていこう。体を動かすエネルギー源は糖質。この「糖質」をどの”大きさ”で取るかによって体への影響は変わってくる。 たとえば、ごはんをべると主成分である炭水化物はデンプンと物繊維に分けられる。デンプンは「多糖類」、つまり糖がいっぱい鎖状につながった状態になっている。体は「多糖類」をもっとも小さい「単糖」にまでゆっくりと分

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  • 核兵器もコンピュータも、ここから生まれた - 『チューリングの大聖堂』 - HONZ

    期せずして、同じ時、同じ場所に、同じレベルの才を持つ者が集まると、想像を絶する出来事が起こることもある。 1953年、3つの技術革命が始まった。熱核兵器、プログラム内蔵型コンピュータ、そして、生命体が自らの命令をDNAの鎖にどのように保存するかの解明である。これら3つの革命は相互に絡み合い、その後の世界を大きく変えることとなった。 とりわけそれ以前から密接に結びついていたのが、熱核兵器とプログラム内蔵型コンピュータである。かつて数学と物理が相互に進化を促しあったように、両者はがっちりと手を組み、怪物のようなものをこの世に生み落としたのだ。 背景にあったのは、第二次世界大戦における反ナチスおよび、その後の冷戦構造による人材の集結である。アインシュタイン、オッペンハイマー、ゲーデル、チューリング、ファインマン。これらの錚々たるメンバーが、人種や学問の壁を越え、プリンストンの高等研究所を中心とす

    核兵器もコンピュータも、ここから生まれた - 『チューリングの大聖堂』 - HONZ
  • 『なめらかな社会とその敵』生命の起源から、300年後の未来を構想する - HONZ

    夢を語ればその動機を問われ、信念を論ずればその根拠を訊ねられる。病があれば病因を探りはじめ、事故があれば責任の所在が追及される。とかくに人の世は、結果と原因の究明に忙しい。 しかし世界は、原因と結果の連なりに回収できるほど単純にはできていない。いかにもはっきりとした原因と結果の連鎖も、それは辿っていくうちに、複雑に絡みあう世界のネットワークの中に消散してしまい「起源への遡行」は未遂に終わる。そうしてあらためて世界が、互いに支え合う無数のものたちが縁起する、大きな網だったのだと気付く。 想像してみてほしい。ここに網がある。その網をつぶさに眺めていても、そこには始点も終点も見出せない。ところが、この網を一部ちぎりとってみると、ちぎられた網は、何ヶ所かで枝分かれをした、樹(ツリー)の構造になる。そこではじめて始点と終点を、原因と結果を、過去と未来とを語ることができるようになる。 原因と結果、ある

    『なめらかな社会とその敵』生命の起源から、300年後の未来を構想する - HONZ
  • 『どうしてボクはいるの?―息子とパパの哲学対話』 - HONZ

    「ねえお父さん、なぜぼくはいるの?」 著者の息子オスカーの質問だ。子供は物の哲学者だとよくいわれる。こんなことを実際に聞かれたら思考が一瞬、停止してしまうかもしれない。 書は魅力的な哲学のだ。哲学といっても、まったく固くならずに読める内容である。著者はドイツ人作家で哲学者のリヒャルト・ダーフィト・プレヒト。原書はドイツ語版『Warum gibt es alles und nicht nichts? Ein Ausflug in die Philosophie. 』2011年に発売され、10歳以上の子供から、人生の大きな問題を子供達にどう話していけばいいかを考えている大人までが楽しめる内容で大ベストセラーとなった。そもそも、著者のプレヒトは夫人との間に三人の継子があり、その子供達に説明してやれるを書きたいと考えていたところ、そういう内容なら大人も興味を持つかもしれないと、出版社が気づ

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  • あやつられたのは人間?『欲望の植物誌』 - HONZ

    人間の欲望をあやつる植物。気がついたら植物の虜となり、子孫繁栄のための奴隷となる。なんて怪しい。一体どんな色、形なのだろう……。 なんてことはない。書の主役である4つの植物とは、リンゴ、チューリップ、マリファナ、そして、ジャガイモである。これらは人間が思うがままあやつりたくなるほど魅力的である。リンゴは甘ければ甘いほど良く、季節問わずべられるなら最高に嬉しい。しかしその結果、人間があやつられたと思うほど歴史文化に影響を及ぼした。その一部始終を「植物の目を通して」描こうというのが書である。 リンゴと「甘さ」、チューリップと「美」、マリファナと「陶酔」、ジャガイモと「管理」。これらの植物と人間の欲望のせめぎあいは、そのままヒトと自然界の複雑な関係に直結する。ヒトと植物の共生を問い直す書は、現在の社会において見過ごせない難問を提示する。その重要な問いかけが注目を集め、全米でベストセラー

    あやつられたのは人間?『欲望の植物誌』 - HONZ
  • 心の動きに興味のある全ての方へ『ファスト&スロー』 - HONZ

    私たちの意思は自分たちの気がつかないところで、周りの環境に大きく影響されている。例えば、書でも幾度か登場する、選挙の場面ではどうだろうか。 投票所がどこにあるか、そんな些細なことにも大いに影響されている。アリゾナ州での学校補助金の増額への賛成票は、投票所が学校の場合、そうでない場合よりも有意に多かった。これは先行する刺激(この場合は学校)に判断や選択が影響されてしまう「プライミング効果」と呼ばれるものだ。 政治に疎くテレビ好きの有権者は、政治にくわしくテレビを見ない有権者の三倍も、「顔の印象に基づく能力」に影響されやすい。がっしりした顎と自信あふれる微笑の組み合わせが、できる男の顔で、能力がある印象をもたらす。だからと言って、政治家として活躍できる証拠は何処にもない。 投票用紙への記入にも、小さな工夫がある。難しい漢字の候補者はひらがなで立候補する1つの要因に、誰もが習熟したひらがなを記

    心の動きに興味のある全ての方へ『ファスト&スロー』 - HONZ
  • その有能さは、万能か? - 『ニュートンと贋金づくり』 - HONZ

    いつの時代だってスーパースターは大変だ。一つの分野で傑出した能力を発揮すると、他の領域でも通用するものかと普遍性を問われる。 もしもイチローがピッチャーだったなら。もしもファインマンがマイクロソフトに入社していたら。もしもマイケル・ジョーダンが大リーガーだったなら… その中にはジョークで終わったものもあれば、果敢に挑戦したケースもある。 ならば、これはどうだろう。 もしもニュートンがビジネスマンだったなら。 これが「もしも」で終わらないから、ノンフィクションはやめられない。 アイザック・ニュートン。当代から現代に至るまで、あらゆる人々から史上最高の自然哲学者と認められており、言わずと知れた近代科学の礎を築いた人物である。 あまり語られることもないのだが、彼には晩年、イギリスの造幣局監事として働いていた時期があった。多大なる科学での功績を認められ、悠々自適な名誉職であったのかと思いきや、決し

    その有能さは、万能か? - 『ニュートンと贋金づくり』 - HONZ
  • 『出ない順 試験に出ない英単語』新刊超速レビュー - HONZ

    世の中には真の意味で、役に立たないというものがある。あらゆるは役に立たない、という議論もあるが、そんな深遠なことじゃなく、見た瞬間に役に立たないとわかる、ばかばかしさやくだらなさを乗り越え、「役立たずな方向」に、全力で、一生懸命、真剣に突き進むたちのことだ。最近なら『醤油鯛』もすばらしいが、ここにまた一冊、そんな愛すべきが誕生した。 試験に出ないのである。しかも「出ない順」である。 ちなみに最初の単語、すなわちもっとも出ない単語はsalmon carpaccioである。carpaccioって英語か、というツッコミは脇に置き、例文は下記だ。 Bob laughed so hard that the salmon carpaccio came out of his nose. ボブは笑い過ぎてサーモンカルパッチョが鼻から出ました。 皆さん、大事ですから暗記して下さい。 対象は大学受験

    『出ない順 試験に出ない英単語』新刊超速レビュー - HONZ