安倍晋三首相は19日、都内で開かれた国際法曹協会の年次総会に出席し、「法と正義の支配する国際社会を守ることが日本の国益で、日本外交の理念だ」と述べ、法の支配による国際社会の形成を訴えた。 首相は、東シナ海の尖閣諸島(沖縄県石垣市)や南シナ海で力による現状変更を試みる中国を念頭に、「孟子は『天下が乱れれば力のある大国が支配する』といっている。孟子のいう天下無道の時代に戻ることは許されない」と、古代中国の思想家の言葉を引き合いに牽制(けんせい)した。 また、日本がアジアを中心に各国で行っている法制度整備の支援や、女性の権利保護などの取り組みを説明し、「わが国は戦後70年にわたり民主主義、基本的人権を重んじる平和国家として、国際社会の安定と繁栄に努力を続けてきた」と理解を求めた。